クエンカが明かす仙台移籍の舞台裏。神戸が接触、イニエスタに相談していたが…
仙台入りが決まったクエンカ(左)。実は神戸が接触し、イニエスタ(右)に相談していたそうだ。写真:サカノワ/(C)SAKANOWA
スペイン『アス』紙に語る。「カップ戦(天皇杯)決勝があったので、交渉できませんでした」
サガン鳥栖からベガルタ仙台に完全移籍で加入したMFイサック・クエンカが、1月3日付けのスペイン『アス』紙で、その移籍の舞台裏について明かしている。
記事によると、クエンカにはヴィッセル神戸が獲得に向けて興味を持っていた。その話を受けてクエンカは神戸のアンドレス・イニエスタにも相談をしていた。しかし「神戸がカップ戦(天皇杯)決勝に進んだことで、交渉することができませんでした。その間、仙台からの一生懸命なプッシュを受けて、それを受け入れることを決めました」と、クエンカは語っている。
実際、年内12月29日に鳥栖と仙台から、移籍決定が正式に発表された。
また、クエンカは鳥栖での日々について、「とても良かった。私はとても重要なゴールを決めることができて、チームの中で重要なピースを担うことができました。日本は私のキャリアを再開させてくれた、とても重要な1年でした」と満足している。
ただ、クエンカの目標は「再びスペインでプレーすること」。
鳥栖には感謝している。フェルナンド・トーレスとの共闘も、「本物のプロ」とともにプレーできたとさまざまな影響を受けた。しかし”スペイン復帰”を叶えるため、仙台がアジアチャンピオンズリーグ( ACL )出場を目標にしている――という高い理想とビジョンに共鳴したということだ。
一方で、クエンカは「元バルセロナ」という肩書が常に付いて回るプレッシャーに苦悩してきたとも打ち明けている。ちなみにバルサ時代には、イニエスタともチームメイトだった。そのため、こうした海外挑戦が意味のあることだったという一方、「その重圧はスペインでも、日本でも変わりませんでした」と打ち明ける。
28歳のクエンカは日本初挑戦の2019シーズン、J1リーグ29試合・6得点、ルヴァンカップ3試合・0得点を記録。鳥栖のJ1残留に貢献している。
イニエスタ、トーレスといったビッグスターとはまた異なる形で来日し、2シーズン目、日本でのさらなるステップアップの道を選択した。柔と剛を兼ね備えた切れのあるアタックが、木山隆之新監督のもと、杜の都でどのような光を放つのか。静かに熱く燃えるタイプで、山吹色のユニフォームも似合いそう。仙台の新たなるヒーローになるか。
関連記事:スペイン紙が久保の発言に注目「ジダン監督から残ってほしいと言われた」「カメレオンのように」
[文:サカノワ編集グループ]