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パルチザンが怒りの警告、浅野拓磨トラブゾン移籍に不信感。法的手順は踏んだか?

浅野拓磨。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

契約合意と報道も。FIFAに給与遅滞の報告をしていたかどうか。

 慢性的な給与未払いを理由にセルビア1部パルチザン・ベオグラードとの契約を解除すると自身のSNSとブログで発表した日本代表FW浅野拓磨の退団騒動だが、トルコでは浅野が同国1部トラブゾン・スポルと2年契約で合意に至ったと報じられた。これを受けてパルチザンが、法的な手順を踏んでいないと怒りの警告を発している。

 トルコメディア『ハーバーマット』は、浅野が当初言われていた3年ではなく2年間の複数年契約をトラブゾンと結んだと伝える。すでに浅野は現地入りしていると見られる。

 しかし同メディアは、トラブゾンがこの騒動の起こる前から浅野と“接触”していたという。そのうえでパルチザン側の主張を改めてまとめている。

 パルチザン側はこれまで一貫して非を認めていない。そうしたなか、FIFA(国際サッカー連盟)の管轄機関に訴訟を起こす構えで、浅野の新天地にも金銭を要求するという姿勢を示す。

 FIFAの規則では2か月以上の給与遅滞が起きた場合、選手がFIFAを通じてクラブへ改善を要求できる。それが事実と認められた場合、クラブは15日以内に給与の支払いに応じなければいけない。そこで改善が見られなければ、フリートランスファーとなって移籍が認められる。

 別媒体では、パルチザンのミロラド・ブチェリッチ会長が次のように主張している。

「アサノは今年に入り、24万ユーロ(約3200万円)を受け取っています。私たちは彼を危機的状況に晒していません。彼は別の報酬額を請求しています。ただ一方的に契約を終了することはできません。契約不履行であれば、弁護士など通じて警告の意を伝えるべきですが、そういった行動を起こしていません」

 浅野サイドがFIFAの規定を把握し、この問題を報告していたのかは重要なポイントになりそうだ。一方、浅野は家賃も滞納せざるを得ない状況で、仕方なくベオグラードを立ち退いたとも言われ、生活の安全が担保されていなかった可能性もある。

 浅野は5月2日に声明を発表してからは沈黙を保っている。まずこの“移籍”が認められるのかどうか。果たしてどのような展開が待っているのか……。

 トラブゾンは現在、トルコ1部リーグで18勝13分7敗(47得点・35失点)で4位。

 イングランド・アーセナルFCからパルチザンに加入して2シーズン目の浅野は、これまでセルビア1部リーグ33試合・18ゴール・8アシストと、リーグ2位、外国籍選手最多の得点を決めていた。日本代表では3月のモンゴル代表戦でもゴールを決めるなど、国際Aマッチ通算24試合・5ゴールを記録している。

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[文:サカノワ編集グループ]

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