VARチェックで「7分30秒」中断、追加時間「10分」。広島が2-1でC大阪に逆転勝利
広島の浅野雄也。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
FW浅野雄也が高速カウンターを完結。自陣ゴール前の荒木隼人のブロックがハンドではないかと…。
[J1 15節] C大阪 1-2 広島/5月23日15:00/ヤンマースタジアム長居
サンフレッチェ広島がセレッソ大阪に先制点を許しながらも、ジュニオール・サントスと浅野雄也のゴールで逆転勝利を収めた。広島はリーグ戦2試合ぶりの勝利。一方、奥埜博亮のゴールで先制に成功したC大阪だが、これで4試合勝ち星なしとなった。
この試合、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)のチェックで7分30秒にわたり試合が中断した。1-1で迎えた59分、自陣でのピンチを凌いだ広島が高速カウンターからジュニオール・サントスがダンクレーの後方からのファウルを受けながらボールを持ち運びスルーパスを放つ。それを受けた浅野がGKキム・ジンヒョンをかわして左足でシュートをねじ込んだ。
その攻撃に切り替わる際、広島ゴール前でシュートをブロックした荒木隼人の背中から腕にかけてボールが当たっているように見えた。DAZNの中継でもVARチェックで、そのシーンが対象の一つであることが伝えられ、VTRも流された。
ただ、複数のチェック事項があったようで、試合がなかなか再開されない。
58分25秒に浅野のゴールが決まったあと、主審がゴールと認定したのが64分25秒。無観客試合(リモートマッチ)であり、そこで主審は周囲にゴールと決まった理由を伝える。するとC大阪のGKキム・ジンヒョンが改めて抗議をする。広島ベンチからは「もうVARチェックが入っている」などと声も飛んだ。
結局、試合が再開されたのは65分55秒。実に試合再開まで、7分半もの時間がかかったのだ。この日は気温26.4度とやや暑いなかで、選手たちはピッチにただ立って、待つことを余儀なくされた。
スコアはそのまま2-1で推移。そしてアディショナルタイム(追加時間)は実に「10分」に。C大阪は猛攻を続け、一方、広島も耐え続けて……アウェーチームが逃げ切ってみせた。
C大阪のレヴィー・クルピ監督は試合後の記者会見で、このシーンについて問われ、次のように語った。
「実際映像を見ていませんが、あれだけ選手たちが主張していたのであれば腕にボールが当たっていたと思います。ハンドと解釈されるべきプレーだったのではないかと思います。その意味で、レフェリーの方の判定には正直なところ疑問を持っています」
そのワンプレーが得点に直結する重大なものであるのは確かで、一つひとつのチェックは大切になる。一方、VARチェックを待つことで選手が体力を消耗したり、集中を切らしたり、その中断が試合の流れを変えることもあり得る。さすがに7分以上の中断時間は長く、この時間をいかに短くするかもJリーグの課題になりそうだ。
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[文:サカノワ編集グループ]