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エントリー問題、福島が不服申立書を提出。浦和に続いて

(C)SAKANOWA

2-0勝ち試合が「0-3」没収試合に。今回はマッチコミッショナーが“許可”した事実も。

 選手エントリー問題の件で、J3リーグの福島ユナイテッドFCは8月25日、公益社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)規律委員会での調査・審議により下された「0-3没収試合」とする懲罰の決定について、24日に公益財団法人日本サッカー協会(JFA)不服申立委員会へ、不服申立書と不服申立理由書を提出したと発表した。

 この問題は、5月16に開催されたヴァンラーレ八戸戦、福島がエントリーの認められていない選手1人を試合に出場させたとして、懲罰委員会の決定によりJリーグから2-0の試合を「0-3」没収試合とする処罰を受けたが、試合前に「マッチコミッショナーから許可を得ていた」とする件だ。

 4月21日に福島のチーム内で新型コロナウイルス感染症のクラスターが発生し、選手7人の感染と残りの選手全員が濃厚接触者として隔離された。同29日の新型コロナウイルス感染症の「Jリーグ指定公式検査」に、該当選手は隔離中のため検査を受検できなかった。この選手は5月14日までに、新型コロナウイルスのPCR検査と抗原検査を実施し、いずれの検査も陰性判定を受けた。

 そして5月16日、今回の問題となった八戸戦の開始に先立ち、福島の運営担当がマッチコミッショナーにエントリー可能者リストと該当選手が記載されたJリーグメンバー提出用紙を提出。しかしマッチコミッショナーは、該当選手の名前がエントリー可能者リストに記載がないと指摘した。

 するとそこでマッチコミッショナーから、該当選手がエントリー可能者リストに記載がなくても新型コロナウイルス感染症の陰性判定証明ができれば試合に出場できる旨の発言があった。そのため、運営担当はマッチコミッショナーに、当該選手の抗原検査における陰性判定の結果を提出。その結果、マッチコミッショナーは、該当選手が試合に出場できることを認め、Jリーグメンバー提出用紙に署名したということだ。

 しかしJリーグの規定では、今回のケースでは「エントリー資格認定委員会」への報告が必要であり、それを怠ったとして、浦和レッズへの事例もあり、「0-3没収試合」という非常に厳しい処分が下されたのだ。

 福島はマッチコミッショナーの認可がなければ、指摘に逆らって当該選手を出場させる意思は全くなく、そもそも不可能であったとして、この処罰に反論。「誤ったエントリー可能者リストを提出したわけでもなく、Jリーグから派遣されたマッチコミッショナーにおいて本件選手が指定公式検査の陰性判定を得ていないことを認識したうえで、出場の認可をした。『不正』には当たらない、または、その違反の程度は極めて小さいと思料している」と指摘。そして、今回の申し立てに至った。

 浦和も同じようにJFA不服申立委員会へ申し立てをしたが、JFA懲罰規程第36条〔不服申立可能な懲罰〕に該当しないとして却下されている。

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[文:サカノワ編集グループ]

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