「過酷な環境で勝負したい」日本代表DF長友佑都が“新天地”に言及。フリーの身、一体どこで何をしてきたのか?
カタールW杯最終予選に向けて抱負を語った長友佑都。協力:日本サッカー協会
三浦カズも所属したジェノア行きの噂…。「焦っても仕方がない」。
カタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選のオマーン代表戦(2日@吹田スタジアム)、中国代表戦(7日@カタール・ドーハ)に臨む日本代表DF長友佑都が8月30日にオンラインによる取材に応じて、近況や意気込みなどを語った。
長友はいま無所属、フリートランスファーの身である。昨季はフランス1部オリンピック・マルセイユでDF酒井宏樹(現・浦和レッズ)とともにプレーしていたが契約満了を迎えている。
気になるコンディション面について34歳のサイドバックは、「日々のトレーニング、ケアはしっかりやってきました。サッカーの感覚は別ですが、コンディション的には良い状態。コンディションが良ければ、そこ(感覚)はすぐ戻るので気にしていません」と、これまでの経験に裏打ちされた調整法について語る。パーソナルコーチとともに、日本でメニューをこなしているそうだ。
欧州主要リーグの夏の移籍期間は8月末までだが、フリーの身であるため、その後もチームを選択できる立場にある。長友はW杯で日本をベスト16以上に導くことを目標に掲げ、そのためにも「欧州でプレーし続けたい」と強調。Jリーグクラブからの誘いもあるなかで、「僕は過酷な環境で勝負していきたい」と自身の確固たる哲学を口にした。
三浦知良(現・横浜FC)も所属したイタリア・セリエAのジェノアCFC行きの噂がイタリアで報じられてきた。その件については、「焦っても仕方がない。移籍だけは自分の意志だけでは決まらない。経験もあるので全然、焦ることはありません」と言う。
そうしたなかで長友自身4度目となるW杯アジア最終予選に向けて、「圧倒的な強さを見せつけたいし、それだけの力があるチーム。W杯16強の壁を破る目標を掲げているだけに、最終予選は圧倒できないと話にならない」と、この先のカタールのステージをも見据えていた。
とはいえ前回ロシアW杯アジア最終予選は、ホーム初戦でUAE代表に敗れ黒星スタート(●1-2)を喫した苦い経験がある。
「(アジアでは)相手は引いて守ってカウンター、あとはセットプレーと割り切って戦ってきます。スペースがないなかで、こじ開けて得点をすることの難しさも感じています。(経験が必要?)経験ある選手だけで固めても難しいし、フレッシュな選手で固めても一つボロが出ると突かれる。ベテランと若手の融合が大切。強いチームは融合していますから」
国際Aマッチの出場数は、今回の招集メンバー24人の中で最多の125キャップを数える。ただ、長友は世代をつないでいくことの重要性も感じつつある。
「最終予選は厳しい戦いになりますが、自分が出たらパフォーマンスをしっかり出せるように。出なかったとしても、自分の経験を伝えたり、モチベートしたり、メンター的な役割もできると思っています。そこを含めて、チームに貢献したいです」
縦糸と横糸を紡ぐ。長友はそんな役割が欲されているとも感じている。
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[取材・文:石田達也]