インドネシア大惨事、死者数125人に訂正。負傷者300人以上。催涙弾使用でパニック増幅か
犠牲者へ祈りを捧げキャンドルを灯すアレマFCのサポーターたち。(Photo by Ulet Ifansasti/Getty Images)
アレマ対ペルセバヤのダービー、日本人2選手も出場。
[インドネシア1部 ]アレマ 2-3 ペルセバヤ/2022年10月1日20:00(日本時間22:00)/カンジュルハン・スタジア。
インドネシア1部リーグ、アレマFC (Arema FC) 対 プルセバヤ・スラバヤ(Persebaya Surabaya)の一戦で、試合後にピッチになだれ込んだサポーターが警察官や警備隊と衝突し多数の死傷者が出た騒動で、スタジアムの出口に観客が殺到する大混乱が起き、10月2日、インドネシア当局は死者数について178人から125人に、一方、負傷者は180人以上から約320人に訂正された。
『ガーディアン』によると、現地の10の病院に負傷者らが運ばれ、そのデータを集計した結果、修正されたという。
またパニックを増幅させた一因として、警官隊による催涙弾がスタンドに放たれたことが指摘されている。殺到した一か所しかないスタジアムの出口付近でも、呼吸困難をきたす者も多数出たため、圧死などの被害が拡大してしまったと見られる。
今回の惨事に、国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ会長は次のようにコメントを発表している。
「サッカー界全体がインドネシアのカンジュルハン・スタジアムで行われたアレマFC 対ペルセバヤ・スラバヤの試合終了後に起きた悲劇的な事件に大変な衝撃を受けています。これはサッカーに関わるす全ての人にとって暗黒の日であり、理解しがたい悲劇です。この悲劇的な 事件で命を落とされた犠牲者のご家族、ご友人のみなさまに深い哀悼の意を表します。
この困難な事態を受け、FIFA と世界のサッカー界は、インドネシア共和国の人々、アジアサッカー連盟、インドネシアサッカー協会、インドネシアサッカーリーグとともに、全ての思いと祈りを犠牲者と負 傷者の方々に捧げます」
今回の事件は、首都ジャカルタなどがあるジャワ島東部のダービーマッチで起きた。日本人2選手も出場。ホームのアレマFCでは山口廉史が途中出場、プルセバヤの山本奨が先発出場して51分に決勝ゴールを決めた。
すると試合終了と同時に、約3000人のサポーターがピッチに乱入。そこで警察官、警備員が出動。事態の鎮静化を図ろうと、多くの催涙弾(催涙スプレー)が使われた。ところが、スタンド内に充満したため、窒息を起こす人も出た。
そうして混乱が混乱を招くパニック状態に陥り、一箇所しかないスタジアム出口に人々が殺到。将棋倒しになり、多くの人が死傷する大惨事を招いた。
インドネシアリーグは最低でも1週間中断されることが決定。アレマFCは今季、同スタジアムでの試合開催が認められなくなった。
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