スケールの大きさ証明、ボルシアMG入り福田師王「まだ怖い選手ではない」。得点ランク1位タイだが、現実を受け止める│高校サッカー選手権準決勝、神村学園は岡山学芸館に敗れる
チームメイトから肩を抱かれる神村学園の福田師王(13番)。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
いずれも力のある相手から通算3ゴール。「得点力が足りない」
[全国高校サッカー選手権 準決勝] 岡山学芸館 3(4PK1)3 神村学園/2023年1月7日12:05/国立競技場
全国高校サッカー選手権準決勝、ドイツ1部ボルシア・メンヒェングラードバッハ入りが決まっている神村学園(鹿児島)のFW福田師王は岡山学芸館(岡山)戦、チームを蘇らせる同点に追いつくチーム1点目を決めるなど大器の片りんぶりを見せた。しかし、自身もキックを失敗したPK戦の末に敗れ、決勝進出を逃した。
神村学園の「13番」は岡山学芸館の厳しいマークとプレスに苦しみながらも最前線で抜群の跳躍力を生かしてボールを収め、味方につないでチャンスを作っていった。そして0-1で迎えた38分、点取り屋らしい嗅覚から、金城蓮央のシュートのこぼれ球を押し込んでみせた。
しかし全国制覇には届かず――。福田は試合後、「(岡山学芸館の)プレスが早く、ボールを奪われる回数が多かったです。自分自身をもっと磨かなければ。(キックを止められたPK戦は)相手のゴールキーパーが上手く、自分が下手でした」と自身の不甲斐なさを嘆いた。
2回戦の山梨学院戦、準々決勝・青森山田戦、そしてこの準決勝と力のある相手から決め、目下得点ランキング1位タイの通算3ゴールだ。しかし故郷出身の日本が誇る大エースである大迫勇也(ヴィッセル神戸)の持つ、鹿児島城西高時代の大会記録10得点(87回大会)を目標にしていただけに、「得点力も足りなく、怖い選手でもない。悔しい大会になりました」と、客観的に現実を受け止めた。
「常に結果を残すことが大事。勝負にめちゃくちゃこだわっていました。リードしたにも関わらず勝ち切れませんでした。自分がもっとチームメイトを鼓舞したり、もっとたくさんやるべきことがありました。(敗因は)自分の気持ちじゃないでしょうか。それに得点力が足りなかった」
福田はそのように勝負へのこだわりを語った。
ハイボールをジャンプしてしっかり胸で収めて起点になるなど規格外のプレーで、観客を驚かせた。スケールの大きさは間違いなく証明して、日本を旅立つ。
ボルシアMGでは、まずセカンドチームに登録される。この日の悔しさをむしろ財産に、福田はさらに大きな選手になっていけるはずだ。