【浦和】西野TDが横浜FMに電撃移籍へ。マンC強化責任者ベギリスタインと接点、現役時代レッズのチームメイト
浦和の西野努TD。写真:石橋俊治/(C)Toshiharu ISHIBASHI
すでに土田SDも退団、フットボール本部刷新へ。
J1リーグ浦和レッズの西野努スポーツダイレクター(SD)が6月にも退団し、横浜F・マリノスへ“電撃移籍”する。複数メディアが4月2日に報じ、関係者によると既定路線になって、それぞれ水面下では新たな体制づくりが進められているという。
浦和は経営面などとスポーツ部門の責任を切り離してより明確化するため、2020年、トップチームの強化部門として、フットボール本部が立ち上げられた。戸苅淳フットボール本部長、土田尚史スポーツダイレクター(SD)、西野 努テクニカルダイレクター(TD)が就任。3人を中心に、クラブの設定したビジョンのもと、浦和の強化・体制づくりが進められていくことになった。
それまでの浦和は監督人選の最終的な責任者が社長になっていた。そのため結果的に、社長のふとした一言が人選にも大きく影響してきた(例えば「Jリーグで実績ある経験者が良い」など)。そこにメスが入り、フットボール本部が主体となって、リーグ、そしてクラブ・ワールドカップ(クラブW杯)の優勝を目指していくという体制が築かれたのだ。
そして昨年にはAFCアジア・チャンピオンズリーグ(AFC)を制覇。リカルド・ロドリゲス→マチェイ・スコルジャ→ペア=マティアス・ヘグモ監督と、段階を踏んでチームの土台も作り上げられてきていた。
そうしたなか土田SDが2023シーズン限りで退団に。SDは空席のまま、強化全面の責任を担ってきていた西野TDまでも、しかもライバルクラブへ引き抜かれることになる。
西野TDは英語を使えることから海外との交渉もこなし、さらに最新のスカウティングソフトも活用。キャスパー・ユンカー(現・名古屋グランパス)、アレクサンダー・ショルツ、マリウス・ホイブラーテンらを獲得してきた。
しかし国内ではなかなか振るわずにいた。逆に国内や日本人選手の補強には苦戦を強いられてきたが、西野TD一人の責任や仕事量が一気に増していたのは確かか。
一方、シティ・フットボール・グループの一員に加わってきた横浜FMでは、立場上の強化責任者不在が続いていた。そうしたなか、昨年12月のクラブW杯、浦和はマンチェスター・シティと対戦し、0-3の完敗を喫した。その際に西野TDが、シティの強化責任者である元浦和のチキことアイトール・ベギリスタイン氏とも再会を果たし話題になった。
全世界とのネットワークができている横浜FM、そして西野TDのいろいろな状況……。このタイミングで合致したことになるか。
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浦和は来年のクラブW杯への出場を決めている。そこに向けて、西野TDのもと、ペア=マティアス・ヘグモ監督が招へいされ、「観ていて腰が浮くような攻撃的なサッカー」(西野TD)とリーグ制覇を目標に掲げてきた。フットボール本部は発足から5年目で事実上刷新され、クラブも一つの大きなターニングポイントを迎えることになる。