韓国勢に連敗できなかった。U-23日本代表へ届け、植中朝日が雨中の日産スタジアムから送ったメッセージ
ACL蔚山現代戦で2ゴールを決めた横浜FMの植中朝日(左)とアンデルソン・ロペス。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
ACL蔚山現代戦で2ゴール、決勝進出に貢献。「日本のチームが韓国に2回負けるわけにはいかなかった」
[ACL 準決勝 2nd] 横浜FM 3(0EX0、5PK4)2 蔚山現代 /2024年4月24日19:00/日産スタジアム
※2試合トータルスコア3-3
AFCアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)2023-24準決勝の第2戦、J1リーグの横浜F・マリノスが植中朝日の2ゴールとアンデルソン・ロペスの得点により、3-2で韓国Kリーグの蔚山現代FCに勝利を収めた。2試合トータルスコア3-3から延長戦もスコアレスに。そして決着が委ねられたPK戦を5-4で制し、決勝にコマを進めた。
雨中の日産スタジアムでの死闘。クロスバーやポスト、そして辛うじてのオフサイド判定、再三にわたるポープ・ウィリアムのスーパーセーブと選手たちのブロック。あと数センチずれていれば……そんなギリギリのスリリングな展開が続き、運も味方につけてファイナルへの切符を掴んだ。
殊勲の2ゴールを決めた植中は22歳。現在カタールで行われているパリ・オリンピックのアジア最終予選となるU-23アジアカップに臨むU-23日本代表ではなく、こうして横浜FMの一員として残り、この大一番のピッチに立てたことで、誰もが想像していなかったストーリーが展開されていった。
植中はカタールで戦うU-23日本代表のメンバーとも連絡を取り合っているという。そして、この勝利に想いを込めた。
「代表チーム(U-23日本代表)の選手の何人かとは連絡を取り合っていて、向こう(カタールU-23アジアカップ)の情報は入ってきています。この間の韓国戦を僕も見ていました。日本のチームが韓国に2回負けるわけにはいかなかった。代表とクラブチームという違いはありますが、自分も代表の選手たちに負けていられないので、今日こうして結果を残せて良かったです」
そのように、すでに準々決勝進出は決めていたもののグループステージ最終戦で0-1で敗れたあと、日本勢として、横浜FMは負けられない――そう心に誓ったそうだ。
試合後には、ゴール裏のサポーターに向けて、マリノスの14番は歓喜を爆発させた。
「あまり、そういうことをするタイプではありませんが……。今日ぐらいはいいかなと、やらせてもらいました」
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この準決勝2試合で一気にブレイクスルーを果たした。むしろ、ここからさらに進化を遂げていきそうで期待が膨らむ。植中は「何がなんでも決勝は勝ちたいです」と、アル・アイン(UAE)との対決をさっそく心待ちにしていた。