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「全てにおいてレベルの差が出た」佐野海舟が語るムジアラとバイエルン。21歳新星に初のハットトリックを許す、DFB杯マインツ0-4完敗

バイエルンのライマーとマッチアップするマインツの佐野海舟(右)。(Photo by Alex Grimm/Getty Images)

ファーストプレーでハリー・ケインからボール奪取に成功したが…。「最後の最後で判断を変えられる技術の高さを感じた」

[DFBカップ 2回戦]マインツ 0-4 バイエルン/2024年10月31日(現地30日)/MEWAアレーナ

 DFBカップ(ドイツカップ)2回戦、1.FSVマインツ05はバイエルン・ミュンヘンに0-4で敗れて今大会の敗退が決まった。バイエルンの21歳ヤマル・ムジアラはプロキャリア初のハットトリックを達成し、さらにレロイ・ザネも1ゴールを決めた。マインツの佐野海舟はボランチでフル出場を果たした。

 ホームのマインツは開始2分に失点を喫すると、前半だけで4ゴールを許した。後半は無失点に抑えたものの、跳ね返してゴールへ迫る反発力を見せるまでには至らなかった。

 佐野は試合後、「失点のタイミングが早く、そこから相手に得点を重ねられてしまいました。後半は無失点だったけれど、攻撃面でチャンスというチャンスを作れませんでした。全てにおいてレベルの差が出ました」と語り、完敗を受け止めた。

 キックオフ直後のファーストプレーでは、中盤まで下りたハリー・ケインのクサビのボールを佐野がカット。期待に満ちたサポーターから大きな歓声が起きた。

 が、その直後、微妙な位置取りで佐野を含めマインツの誰がマークに付くべきか分からない位置取りをしていたムジアラが、ゴール前までスルスルと抜け出してシュートを沈めた。

「(ケインから最初にボールを奪えた。そこから失点するまでの心の動きは?)いや、決していい入りができたという感覚はなかったです。(バイエルンの選手には)最後の最後で判断を変えられる技術の高さを感じました。そこでボールを取れるか、取り切れないかで、チャンスが一気にピンチになりました。ボールを奪うところは危機感を持って、やらなければいけないと思いました」

 21歳のムジアラは前半だけで衝撃のハットトリックを達成した。ピッチでどのような「差」を感じたのか。

 佐野は次のように語る。

「全員が最後のところで判断を変えられて、その最初のポジショニングのところで勝負を決められた感がありました。そういうところで、もっと自分たちも上手く守る方法があったかなとは思います」

「戦術の部分で、もっとチームとして狙いを持たないといけないとも思います。個人としても、さらに動いて、味方を助けるポジショニングを常に取り続けないといけない。それを全員がやらないと、ボールを奪ったあともパスをつなげず、前へ運べないと思います」

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 バイエルンとは12月14日に再びホームでリーグ戦が組まれている。佐野は「レベルの差は、個人としてメチャクチャ感じました。やるべきことをたくさん発見できて、ただ課題もあるなか時間は限られているので、1日1日を大切にして、その差を縮めて、勝利に近づけたいです」と、リーグ首位に立つバイエルンから突き付けられた現実とまっすぐ向き合っていた。

Posted by 塚越始

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