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松本人志さん「再訴」のカードを残す。犬塚浩弁護士「訴訟の取り下げは、もう一回裁判することができてしまう」

松本人志さん (Photo by Chung Sung-Jun/Getty Images)

可能性は低そうだが…「ある意味、被告としては手の内をさらしていて、同意することは少ない」。ワイドナショーで取り上げる。

 性加害疑惑の虚偽報道をしたとして週刊文春とその発行元などに慰謝料を請求したダウンタウン松本人志さんの民事裁判だが、11月8日に双方合意のうえ、この訴訟は取り下げられた。松本さん(代理人弁護士)、所属先の吉本興業、週刊文春がコメントを発表し、事実上この件は一旦終結した。

 この件が松本さんも出演していたフジテレビ系列の『ワイドナショー』で11月17日に詳しく取り上げられた。そのなかでコメンテーターである弁護士の犬塚浩氏が「訴訟の取り下げというのは我々でもほとんどすることがありません」と、専門家の立場から説明した。

 司会を務める東野幸治氏は「あまりないんですか」と驚くと、犬塚氏は次のように詳しく語った。

「ほとんどしたことがありません。これは一方的にはできず、被告のほうが同意しなければいけません。しかも、手続きが進んで、訴訟を取り下げるというのは、もう一回裁判することができてしまうので、ある意味、被告としては手の内をさらしているところもあり、同意することは少ないわけです」

 裁判所の公式サイトの「訴訟の終了」によると、「訴訟手続は、訴えの取下げ、請求の放棄・認諾、裁判上の和解によっても終了します。これらの中で、訴えの取下げは基本的に将来の再訴禁止の効力を生じませんが、その他のもの(和解など)については、これらの事項を記載した調書は確定判決と同一の効力を有することになります」と記されている。

 今回は謝罪の言葉もあるだけに、その可能性は低いと思われる。ただし、そのように一般的には、今回でいえば松本さん側に「再訴」の選択肢が残るということだ。そのため、犬塚氏は「ちょっと例外的な形で決まったなという感じはいたしました」と、法律の専門家としても驚く決着だったという。

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 また今回の発表では、「強制性を直接示す物的証拠はない」ということが、両者の発表で報告されていた。犬塚氏は当初松本さん側は全面的に争うを姿勢を示していただけに、「全面的に争うわけではなかったのかなと、ちょっと意外感を持った人は多かったかなというふうに思います」と語った。