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【なでしこ】「世界一に返り咲く」ニールセン新監督が就任会見。ピアス光るデンマーク出身の53歳

ニルス・ニールセン監督 写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

ピッチ上に加えて、様々な信頼関係を重視し、まさに一体感を築いてタイトルを目指す。

 サッカー日本女子代表(なでしこジャパン)の新監督に就任したニルス・ニールセン氏(Nils NIELSEN)が12月18日、都内で就任記者会見を行った。デンマーク出身の指揮官は「世界一に再び返り咲く」と目標を掲げ、ピッチ上に加え、様々な面での信頼関係を重視し、一丸となって女子ワールドカップ(女子W杯)やロサンゼルス・オリンピックでの優勝を目指す方針を示した。

 なでしこにとって、2011年以来となる女子W杯での世界一奪還、ロサンゼルス・オリンピックでのメダル獲得が目標となる。左耳にピアスが光る53歳のニールセン監督は「今回このように就任できたことにお礼を申し上げます。日本サッカー協会から連絡をいただいた時、本当に嬉しく思いました。これだけ実績のあるチームの一員になれることを、本当に嬉しく思いました」と笑顔を浮かべた。

「月曜日に初めて来日し、到着した瞬間になんて素晴らしい国なんだろうと驚きました。大都市なのに、これほどきれいな街並みには感銘を受けました。(サッカーのキャリアは報告されているので)私の生い立ちについて少し触れますと、グリーンランドの大きな島のとても小さな村で生まれました。ここに集まっている人数よりも少ないぐらいの小さな村で、氷に閉ざされているようなところでした」

「プレーヤーとしてはケガをしてしまい、20歳から指導者の道に進みコーチをするようになりました。そして長年キャリアを積み上げてきましたが、一つ刺激を受けたのが2010年頃から日本の女子サッカーの急成長でした」

 選手の個性を見ながら、それをチームに落とし込んで集団を作っていく。その手法にニールセン監督は刺激を受け、自身の指導にも生かしてきたという。それだけに、日本女子代表を率いるというのは、「まさに自分がやりたかった仕事でした」と言う。

「性格を見ながら、それに合ったプレースタイル、チームのカルチャーを作るのは難しいことですが、それがピッタリはまったのが日本のなでしこジャパンでした。

 そこに刺激を受け、もちろん他の国で簡単に真似できるものではありませんが、自分のチームでも取り組むようになりました。JFAから話をいただいたのは光栄で、大切なのは、自分がまさにやりたかったということです。これまで作り上げてきたことに、さらに積み上げるチャンスをいただけたのは監督冥利に尽きます」

 そのなでしこジャパンで、世界一を目指す――と目標を掲げる。

「日本の女子代表チームは常に優勝を狙えるチームで、その能力もあると思います。実際大会で優勝トロフィーを掲げることを実現する。そのためには一人の力ではなく、チームの力があってこそ実現できます。そのプロセスの中でリーダーになるのですが、日本サッカー協会からのサポートはすでに十分にいただけています。

 選手たちのクラブとの関係を築くことも重要です。何より皆様やファン、サポーターが一丸となって、チームをサポートしていけば、再び世界一に返り咲くことができると思います」

 “監督”として、ピッチ上のみならず、様々な信頼関係を築いていくことも大切だと考える。一体感を作り出して、世界一を目指していくというスタンスだ。

「世界のトップに返り咲くことを目指していきます。それだけのタレントが揃っていて、可能だと思っています。デリゲーションをもって、それを実現していきたいです」

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 デンマーク女子代表やスイス女子代表を担い、さらに2023・24年にマンチェスター・シティ女子テクニカルダイレクターを担当。再び指導者の道に戻りたいと同職を退任した直後、その情報を得た日本サッカー協会(JFA)が交渉を行ってきた。