×

日産・ホンダ・三菱の経営統合、ホリエモンが警鐘を鳴らす「どこかで踏み止まれ」「悪い流れに引きずりこまれる」

堀江貴文氏。(C)SAKANOWA

数字上の『世界3位』、EVとHVの技術補完も「本質的なようで、あまり本質的ではない」。

 日産自動車、Honda(ホンダ)、三菱自動車が12月23日に記者会見を行い、日産とホンダが8月に基本合意していた共同持株会社設立による経営統合に向けた検討について、三菱自動車も参画する可能性を具体的に模索することで合意し、3社で覚書を締結したと発表した。来年1月末を目処に参画するかどうかを決める。

 この発表を受けて、実業家のホリエモンこと堀江貴文氏がユーチューブの『ホリエモンチャンネル』で、「ホンダ・日産・三菱の経営統合に向けた協議について解説します」と題した動画をアップ。売上高だけを見れば数字上は「世界3位」になるが、創業者である本田宗一郎氏のアイデンティティのもと支持を得てきたホンダに対し、「日産自動車、三菱自動車はもうサラリーマン社長を目指す権力闘争の場みたいになっている。典型的な白い巨塔みたいな派閥争いの場所」と指摘。司法取引を経てのゴーン氏のレバノンへの逃亡劇と現在の大混乱の経営を踏まえ、「日産の経営は多分腐っている」として、ホンダが日産の払拭されない闇に飲み込まれていくだけではないかと首を捻った。

 また、前CEOのカルロス・ゴーン氏が、この経営統合は上手くいかないと警鐘を鳴らした。堀江氏は「逃げ出したゴーンの話なんて意味ねえよという声もありますが、まがいなりにも約20年もの間、日産を経営を担ってきただけに、その言葉には重みがあります」と、耳を傾けるべきだと説いた。

「売上を追えばいいという問題ではない。トヨタ、フォルクスワーゲンのグループに続く世界3位の規模だと報道している新聞もありますが、経営効率が重要視される時代で、古くせえな、そんなんじゃねえんだよなと思ってしまいました」

 経営統合による一番の狙いは、両社が持つEVやHVの技術を補完し合い、出資していくというのが名目である。ただホリエモンは「本質的なように見えて、あまり本質的ではない」と指摘。日産とホンダのそういった“生い立ち”が異なるだけに、「トヨタに比べると、弱者連合なわけです。悪い流れに引きずりこまれる可能性が僕はすごく高いと思っています」と、マイナスにしか働かないのでは……と未来を案じていた。

 ゴーン氏を追い出したあと、結果的に、日産は再び派閥争いを続ける組織になってしまい、このほど発表された9000人リストラなど経営難を招いたと言われる。また一方、ゴーン氏はコストカッターだっただけに、日産は同体制時に事業を上向きにするための地力を付けられなかったという主張もある。

関連記事>>ホンダ・日産の経営統合、ホリエモンが懸念「さらにどうしようもない会社になっていく」

 そうしたなか堀江氏は最後に「MOU(覚書)の段階でやめるべきでは。僕はちょっと微妙だなと。かなりやばいなと思っていて、どこかで踏み止まったほうがいいのではないかと提言したいです」と訴えていた。