令和ロマン高比良くるまさん活動自粛、若狭弁護士が反対し暴露「行き過ぎ。昔は刑事、検事、裁判官の卵が賭け麻雀をしていた」
オンラインカジノのイメージ (C)Getty images
なぜ事情聴取の段階で報じられて、社会的地位を失うのか。ユーチューブチャンネルで「単純賭博罪」の問題点を解説。
吉本興業に所属する令和ロマンの高比良くるまさんがオンラインカジノに関する事情聴取を警察から受けたとされる一部報道を受けての騒動により、当面の間、芸能活動を自粛すると2月19日に自身のSNSで発表。本人の発言が正しければ、約5年前というすでに刑事時効を迎え、まだ売り出す前の話が報じられ、築いてきた社会的地位を失うことになった。
この事態を受けて元検事で弁護士の若狭勝氏が2月21日、自身のユーチューブチャンネル「弁護士 若狭勝のニュース塾」で「【髙比良くるま賭博】活動を自粛させる風潮は行き過ぎ、反対」と題した動画を公開。そこまで追い込んでしまう社会的風潮に疑問を投げ掛けた。
若狭氏は「単純賭博罪」について、知らずに金銭を懸けて興じていた……という「知らなかった」は通じない法律の建て付けなどを説明。一方、日本人が海外に行って、現地で合法となっているカジノに参加することは罰せられないということだ。
そもそも「単純賭博罪」が設けられた趣旨は、勤労意欲を保持するための道徳観念を維持するため。賭博により金銭を得て働かなくなる――こうした“怠惰”を助長させないためであるそうだ。
若狭氏は指摘する。
「時代遅れ。知恵を使ってお金儲けをする人はいて、今は株取引やFXで莫大な利益を受ける人もいます。『勤勉』『勤労』のための単純賭博罪、ということであれば、これはもうやめたほうがいい、とさえ思っています」
しかも公営ギャンブルは、様々な理由付けで認められている。さらにパチンコも明らかにギャンブルだが、”国民の娯楽”という建前で、日本では堂々と駅前の一等地に構えていて、しかし一般人をなかなか寄せ付けない。
そうした日本のギャンブル事情もあり、若狭氏は賭け麻雀、賭けゴルフ……単純賭博罪は犯罪から外していいのではないか、と持論を展開する。
今回の高比良さんの件も、本人の発言が正しければ、すでに刑事時効になっている案件である。その情報が報じられたために芸能活動を自粛することに、若狭氏は「少なくとも行き過ぎではないか」と首を捻った。
「昔は現職刑事、検事、裁判官の卵が賭博、賭け麻雀をしていた。一切処罰はされず、(現在も)刑事司法に携わっている。そのバランスを考えれば、くるまさんだけ芸能活動を自粛させるのは、どう考えても行き過ぎだと思います」
若狭氏は自身の検事時代も振り返り、そのように“暴露”。「皆さんの単純賭博罪の在り方への意識を少し変えいってもらえたら嬉しく思います」と、時代に見合った法律の整備の必要性を強調していた。
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動画の中では、「常習賭博罪」、「賭博開帳図利罪」についても分かりやすく解説している。