【なでしこ】初招集のマイナビ仙台DF佐々木里緒、ここに注目!!
なでしこジャパンに初招集されたマイナビ仙台の佐々木里緒。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
20歳のレフティ、「緊張が増しています」というなかで持ち味を発揮しながら徐々に溶け込む。
重みのある音を放ち最終ラインの背後へクロスを蹴り入れる。なでしこジャパンに初招集されたマイナビ仙台レディースの佐々木里緒が、これが武器だとトレーニングで自身の持ち味を再三にわたり発揮している。
所属するマイナビ仙台は現在リーグ最下位と厳しい状況に置かれている。その中で今回、ニルス・ニールセン新監督のもとこの20歳のレフティが抜擢された。
「(選ばれたことを知った時は)正直驚きましたが、嬉しかったです。(ニールセン監督との初対面時には)英語もハグの仕方も分からなくて……。トレーニング初日から日を追うごとに海外組が合流していく流れで、(合流すると)その度に緊張が増しています(苦笑)」
いろいろ最初は緊張の連続だったそうだ。
一方、練習が始まると、大きな声で積極的にボールを要求する。アピールや指示も臆することなく発し、その姿は頼もしく映る。
ニールセン監督の2回目の活動となる今回は国内組9人がメンバー入りした。新戦力の発掘が行われている。
とはいえ、選手層もまた厚い。欧州組が加わると、練習の質も高まる。佐々木は懸命に食らいついている。
「前後で組んでいた(植木)理子さんから『周りを気にせずどんどんやっていいよ』と言ってもらえたことで、気持ちも楽になりました」
清家貴子(ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオン)とのマッチアップでは、置き去りにされたかと思えば、次の機会では体をしっかり寄せて対応していった。一つひとつ確実に吸収していることがうかがえる。
「皆さん上手いので、誰かに預ければなんとかなる! くらいの気持ちでのびのびプレーさせてもらっています(笑)」
6日にコロンビア戦が組まれているが、その2日後にもトレーニングマッチが組まれている。佐々木にも、ニールセン監督の前でプレーする機会は与えられそうだ。
「自分が出せる強みはキック。そこはどんな環境でも出していきたいですし、このメンバーの中でも守備の部分でもっと自信をつけて、チームに戻った時により成長した姿を見せたいです」
佐々木は意気込む。出場の機会が訪れた時、ぜいそのキックに注目してもらいたい。
取材・文/早草紀子
text and photos by Noriko HAYAKUSA