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久保建英のアトレチコ・マドリード移籍、実現へ「3つの条件」。レアルが鍵を握る!?

久保建英。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

「世界一」を目指す現実的な選択肢の一つに。

 スペイン1部アトレチコ・マドリードが2025-26シーズンに向けて、サッカー日本代表(SAMURAI BLUE)MF久保建英(Takefusa KUBO)の獲得を検討していると、現地メディア『エル・ナシオナル』で4月8日に報じた。スペインのトップ3の一角であり、日本人アタッカーが過去にプレーしたことのない未知なる領域だ。ブレイクスルーを遂げてきた久保がビッグクラブに進み「世界一」を狙うのであれば、一つより現実的な選択肢として考えられると言える。

 久保はレアル・ソシエダと2029年6月まで複数年契約を結んでいる。レアル・マドリードからソシエダに完全移籍した2022年、移籍金は「6000万ユーロ」(約96億円)に設定されたと言われる。そして、もしも他クラブからオファーを受けた場合、レアルはその半額(3000万ユーロ以上)で久保再獲得をできるという実質50パーセントの権利を持っていると報じられてきた。昨年ソシエダと契約更新したが、この条項は変わらないと言われる。

 久保にはこれまで、プレミアリーグのリバプールFCをはじめ、トッテナム・ホットスパーFC、アストン・ヴィラFC、ドイツ・ブンデスリーガのFCバイエルン・ミュンヘンが獲得を検討していると報じられてきた。リバプールは久保の仲介人に接触していると、具体的な動きも出ている。

 久保に期待されるのは、ビッグクラブのレギュラークラスとして、各国リーグやUEFAチャンピオンズリーグ(CL)のタイトルを狙うことだ。もちろん、スペインであれば、レアル・マドリード、FCバルセロナの二大巨頭が夢になるはずだが、アトレチコであれば、ともに世界一を目指すという野望をかなえるという点で魅力に映る。 

 久保がアトレチコ・マドリードでプレーするのであれば、「3つの条件」を満たすことが求められそうだ。

 まず、この噂が出た発端の一つが、アントワーヌ・グリーズマンにMLS(メジャーリーグサッカー)やサウジアラビアへの移籍話が噂されていること。ディエゴ・シメオネ監督は久保を気に入り、「その多才さ、テクニック、状況を打開する能力を高く評価している」として、欲しているというのだ。

 このグリーズマン移籍など、前線のビッグネームに動きがあることが一つ条件になりそうだ。アメリカや中東マネーを獲得できるかがポイントになりそうだ。

 また、同メディアでは「移籍金6000万ユーロを値下げできれば、より現実的になる」と報じていた。その移籍金の額も、メガクラブの中では決して潤沢とは言えないだけに、アトレチコ・マドリードとしては、ネックになるかもしれない。

 ただ、その満額が提示されれば、レアル・ソシエダが拒否することはないだろうと言われる。

 そこで鍵を握るのが、レアル・マドリードだ。もしも、実際にアトレチコからレアル・ソシエダにオファーがあった場合……。レアル・マドリードが「許可」するかどうか。もしかすると、ここが一番の障壁になるかもしれない。

 実質50パーセントの権利を持つレアル・マドリードは、ある意味、久保のライバルへクラブへの移籍を認めるかどうかの”最終関門”になっている。久保がアトレチコに移籍したい……となれば、3000万ユーロを支払ってでも久保をレアル・マドリードに復帰させる、という判断を下すこともあり得るわけだ。

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 リーグ上位チーム、CL、クラブ・ワールドカップ(クラブW杯)……久保がそういった高いレベルでコンスタントに戦う。レアル・ソシエダでレギュラーとしてプレーし、熱い声援を受けてプレーできていることも素晴らしいのだが、新たなチャレンジも見てみたい気もする。久保のアトレチコ・マドリード移籍が実現するためには、「アトレチコからの大物の移籍」「移籍金問題」「レアル・マドリードの意向」この3つの条件をクリアすることが必須になる。