男性アナもキス強要…フジテレビ“被害者多数”、「セクハラを訴えても何もしてくれない会社」。北村晴男弁護士が組織の風土ができる過程を解説。千葉県 提供の番組も休止へ
フジテレビ (C)SAKANOWA
自身のユーチューブチャンネルで第三者委員会の報告書を分かりやすく説明、「これだけセクハラに対してメチャクチャですと…」。
元タレントでSMAPのメンバーだった中居正広さん(芸能界からの引退発表)の女性トラブルを発端にコンプライアンス問題が問われ、株式会社フジ・メディア・ホールディングスの依頼による第三者委員会の報告書が3月31日に公開されて、様々なハラスメントが常態化していたことが報告された。
この発表を受けて、北村晴男弁護士はこのほど、ユーチューブチャンネル「弁護士北村晴男ちゃんねる」で、「【フジテレビ・第三者委報告書を徹底分析】驚愕の事実が続々! 浮き彫りになった悪しき慣習」と題した動画を公開。報告書を整理しながら、問題の根幹の部分などを整理している。
セクハラを報告したり、訴えたりしても上司が結果的に何もしてくれない――。それが“当たり前”という風土となり、「フジテレビ役職員や広告代理店、取材先からの社内ハラスメント被害(多数)」と報告されていた。北村氏は「被害があって上司に言っても何もしてくれない。それが多数に及んでいる。セクハラ被害を訴えても何もしてくれない会社ということです」と解説した。
その土壌で大物タレントの気分を害さず起用し、視聴率を稼ぐ。港浩一前社長をはじめ、そういう人物が出世していくという体制ができていったと見ている。
本来はセクハラで社内の処分が下されれば、「そういうことをしていけないんだ。不利益を被るんだ」と知れ渡り、「社内ではセクハラの数がガクンと減るものです。間違いありません」と、弁護士の視点からその効果について解説する。しかしフジテレビは「そういった適切な対応を一切しなかった。それが明らかになりました」ということだ。
元同局の男性アナウンサーが同性愛者の男性タレントから一方的にキスをされるという性被害に遭ったとされる出来事を語った動画が話題となったが、北村弁護士は「おそらく本当なのだろうなと思います。これだけCX(フジテレビ)という会社がセクハラに対してメチャクチャですと……」と呆気にとられていた。
この報告書を受けて、千葉県の熊谷俊人知事は4月17日、同県提供で放送していた番組の当面の放送休止を発表した。
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結果的にそういった風土で出世した人物が、上層部を固めているのも事実である。問題の根幹にある闇もまだ根深い。