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浦和に還元する槙野智章がロシアW杯「控え」の立場で得た経験

ロシアW杯のポーランド戦で先発フル出場した槙野(20番)。写真:新井賢一/(C)Kenichi ARAI

 「ワールドカップで試合に出れていないときに学ばせてもらったことが財産に」

 柏レイソルに競り勝ち3連勝――。浦和レッズのDF槙野智章は、最近のチームの好調の要因の一つに、ベンチメンバーを含めたチーム一丸となった戦いができていることを挙げた。それには槙野自身もFIFAロシア・ワールドカップでの経験が生きているという。

「ワールドカップで自分が試合に出られていないとき色々学ばせてもらったことが、自分にとって大きな財産になりました。W杯が終わってチームに戻り、よく選手が『経験をチームに還元したい』と言います。では、自分にいったい何ができるのか。実際に自分が行動を心掛けることで、チームが上手く回るのを見ていました。だからプレーはもちろんですが、出れていない選手やチャレンジしている選手に対し、歩み寄る行動は心掛けてやるようにしています」

 11人プラス交代枠3人。ピッチに立つ選手だけで勝利を挙げられたわけではない。槙野はそのことを強調していた。

「実際、今回ゲームのメンバーに入っていましたが、自分の意思でトップコンディションではないと森脇選手が外れると申し出ていました。またGKの福島選手と榎本選手はベンチに入れ替わってスタンバイし、常に声を出して盛り上げてくれます。それに経験のある阿部選手や李選手から、試合に出ている選手への声掛けの効果もすごくあります。3連勝はベンチメンバーを含めた戦い方ができているからこそです」

 槙野は一つの「オリヴェイラ効果」だと強調していた。

「正直、それが前半戦は見られなったです。W杯を経てそういうことに気付けた、僕もそうです。みんなで戦えていることが結果に結びついている。そこが大きく変わったところかなと思います」

 オズワルド・オリヴェイラ監督が就任し、この夏を経て、浦和は変化を遂げた。残り6試合、どこまで上位に食らいつけるか。ACL出場権獲得は現実的な目標になってきた。上位陣との戦いも多く残されており、チームの真価がここから試される。

取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI

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