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【詳しい経緯】ヴィッセル神戸、踏んだり蹴ったり…。光州FCがFIFA制裁の移籍禁止期間に補強、ACLの試合に出場していた

ACLエリート、光州FCとの第1戦で先制点を決める大迫勇也。写真:森田直樹/アフロスポーツ

このメディアを含め、誰かが気付いていれば…。

 韓国Kリーグの光州FCが、国際サッカー連盟(FIFA)から補強禁止の制裁を受けているにも関わらず選手を獲得し、その選手たちがAFCアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)エリートに出場してことが明らかになった。『スポーツ東亜』が5月15日、詳しい経緯などをレポートした。

 FIFAが公開している制裁を科している「補強禁止クラブ」のリストに、光州FCの名前が掲載されている。2024年12月から補強が禁止されているのだ。

 同メディアによると、アルバニア代表のヤシル・アサニを獲得した際、連帯貢献金(育成金)が発生。光州は3000ドルを支払ったが、それでは金額が足りていないとして入金を拒否された。ただ、光州は支払ったものと受け止め、「返金」された事実を確認できずにいたというのだ。

 また12月17日付けで、FIFAから入金が確認されないため補強禁止のペナルティを科すというメールが送られた。しかし、これも把握できずにいたそうだ。

 いずれにせよ、この件は5000スイスフラン(約85万円)の罰金、さらに指定された連帯貢献金を支払えば制裁は解除される……はずだった。本来であれば、だ。

 問題は「補強禁止期間」の1から3月の冬のマーケットで、光州FCが大量に選手を補強していたことだ。しかもその選手がAFCアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)エリートに出場。ヴィッセル神戸とのラウンド16でもピッチに立っていたのである。

 光州は“知らなかった”では済まされない。FIFAから、さらなる制裁が課される可能性が高い。同メディアは光州の言い分の辻褄が合わない点なども指摘。そのあたり実際に光州サイドに落ち度がなければ、訴訟などにも発展しそうだ。

 とはいえ……神戸はリーグステージの全日程を終えた時点で、ラウンド16のホーム第2戦の開催権を得られる3位以内を確定させながら、山東泰山の大会棄権による記録抹消により、一気に5位に転落……。理不尽な目に遭った。

 そしてファイナルステージ進出を懸けたラウンド16、4位に浮上した光州と対戦することになったのだ。するとホームで2-0で勝利したものの、光州に乗り込んでのアウェーで0-3と大逆転負けを喫してしまった。

 もちろん、ホームゲームになると全く別のチームになる韓国勢の脅威とタフさに、神戸が屈したのも事実であり、それがACLの怖さだと突き付けられた。

 とはいえ、ルールに則っていない選手が出場していたとなると……。ヴィッセルにとっては改めて、踏んだり蹴ったりの大会になってしまった。

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 ただ大会期間中、誰かがFIFAのサイトをチェックして気付いていれば、ACL2のサンフレッチェ広島のように、光州も厳しい制裁を受けていたはずだった。悔しさがまたさらに募る。