【SAKANOWAコラム│FC BayernとMunichに恋して vol.2】いつもと異なる色彩に包まれ、街はUEFAチャンピオンズリーグ決勝モードに
ミュンヘン北部のオリンピック公園で開催されるCL決勝戦イベント会場 (C)Midori IKENOUCHI
バイエルンの元ホームスタジアムも一役を買う。
市庁舎前でのFCバイエルン・ミュンヘンのブンデスリーガ優勝祝賀会から数日が経ち、ミュンヘンの街はUEFA欧州チャンピオンズリーグ決勝に向けて準備が進められています。
私の自宅近辺のスーパーマーケットや街に立つ広告塔も、スポンサー企業によるチャンピオンズリーグ推し一色です。

市中心部の北部にあるオリンピック公園は、1972年に開催されたミュンヘンオリンピックの跡地です。バイエルンの元本拠地だったスタジアムでは夏になるとテイラー・スウィフトやコールド・プレイといった世界的スターの野外コンサートが開催され、様々なスポーツイベントやお祭りもあり、今なお地元民や観光客の人気のスポットとなっています。
そんなオリンピック公園では、5月31日のチャンピオンズリーグ決勝に合わせたイベントの準備に大忙し。今大会の決勝の地はバイエルンの本拠地であるアリアンツ・アレーナ。残念ながら『主』であるバイエルンは準々決勝でインテル・ミランに敗れてしまいました。

決勝はバイエルンを破ったインテル・ミラノと、バイエルンにリーグフェーズでは敗れているパリ・サンジェルマンが対戦します。
このオリンピック公園では、ワールドカップやEUROなどの大型パブリックビューイングも開催されてきました。市内の中心地から地下鉄で乗り換えなしで10分程という立地の良さ、地元民は家から自転車やEスクーターで気軽に行ける距離とあって、気軽に来る人もとても多いです。
昨年はこのオリンピック公園で、ドイツで開催されたEURO2024のイベントが連日開催されたのですが、ドイツ代表が出場する試合や決勝日は朝から場所取りの方が多く詰め掛け、キックオフ時間のかなり早い段階で人数制限に達して規制が入るほど、サッカーファンやお祭りの雰囲気を楽しむ人々で大盛況でした。

今回のチャンピオンズリーグ決勝は、バイエルン推しのいつもとは異なる色彩に包まれるミュンヘンの街で、住んでいるイタリアやフランス系の方たちをはじめ、どれだけの人が集まり、果たして盛り上がるのか気になるところです。
設営の進む公園内のイベント会場では、UEFAの巨大なオフィシャルショップが目に入りました。私は普段バイエルンのホーム戦の撮影をしているのですが、今回はUEFA主催になるため、スタジアムに入れません。従ってアリアンツ・アレーナ内のショップにも入れないので、このチャンピオンズリーグの特設ショップでどんなグッズが販売されるのか、とても楽しみにしています。

広大なオリンピック公園では以前、この手の大型イベントで入場規制などしていませんでした。しかし昨今は様々な事件や事故もあり、セキュリティが非常に強化されて、車両も進入できなくなっています。EURO2024の時は会場内に数か所の給水所が設けられ、水筒の持ち込みはOKでした。しかしペットボトルや瓶の飲み物は一切持ち込み禁止に。イベントエリアの飲み物や食べ物は、ここミュンヘンも他に漏れず、かなり高額に設定されるのがネックです。

アリアンツ・アレーナでチャンピオンズリーグの決勝戦が前回開催されたのは2011-12シーズンでした。その時はバイエルンが決勝まで勝ち進んだものの、チェルシーFCに延長戦の末に敗れました。

街の様々なところで、このファイナルをアピールし、街全体のテンションが日に日に増しています。13年ぶりのミュンヘンでの決勝戦、ホストの街として、来場する方たちを歓迎し、大いに盛り上がることを願っています。
photos and text by Midori IKENOUCHI