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【サッカー日本代表への推薦状】進化する大型FW原大智、W杯の「切り札」になれる!

京都の原大智。写真:西村尚己/アフロスポーツ

「世界一」を目指すならば、その高さとリーチも生きる。

 E-1東アジア選手権に臨むサッカー日本代表(SAMURAI BLUE)のメンバーが7月3日に発表される。国内組のみの構成となるが、前回カタール・ワールドカップ(W杯)では、この大会での活躍をキッカケに町野修斗、相馬勇紀とW杯メンバー入りを果たしただけに(山根視来もより確実にした)、優勝を目標とするなか、選手個々のパフォーマンスも注目を集める。

 今大会は韓国で開催される。日本代表は、7月8日に香港代表、12日に中国代表、そして15日に韓国代表と対戦する。

 この4か国・地域による総当たり戦で、ぜひ見てみたい一人が、現在優勝争いするリーグ3位につける京都サンガF.C.のFW原大智(Taichi HARA)だ。

 曺貴裁監督のもと、4-2-3-1の左ウイングを主戦場に、ラファエル・エリアスやマルコ・トゥーリオ、長沢駿らとの好連係から多くのチャンスとゴールをもたらしている。191センチという高さを生かしながら、緩急あるドリブル、惜しみないプレッシング、そして思い切ったアタックから攻守で勝利に貢献してきた。

 デポルティーボ・アラベス、シント=トロイデンVVでもプレーしている26歳のFWは、さらにJ1の舞台でプレーの幅を広げ、いま、Jリーグで最も輝く一人になっている。

 今季はリーグ18試合・2ゴール。ラファエル・エリアスが破壊力を見せ付けてきたなか(現在負傷で離脱中)、原自身も「もっと自分もゴールを狙って行きたい」と意欲も示していた。あくまでもゴールにベクトルを向けて、その逆算からプレスを仕掛ける。その姿勢が原の好パフォーマンスであり(最近まで一時ケガで離脱していたが復帰)、チームの好成績につながっていることが分かる。

 日本代表の左ウイングは、三笘薫が不動のレギュラーであり、さらに中村敬斗も急激に台頭。前田大然も対応できるという“超激戦区”の一つである。

 ただ、森保ジャパンの前線で不足しているのが高さ。CFと両ウイングに対応できる原が加われば、より攻撃のバリエーションを増やせる。そのパンチ力も生きそうだ。

 W杯を想定すれば、例えばリードできた展開で、原の懐を生かしたキープ力、プレッシング&プレスバック、さらにカウンターも狙えるなど、一つ武器にもなり得そうである。世界一を目指すならば、様々なシチュエーションが想定され、ラッキーボーイ的な存在にもなるかもしれない。

 もしもE-1の日本代表メンバーに選出されれば、おそらく……周囲のメンバーが個々のアピールをしようとするなか、原はあくまでチームの勝利のため献身的にプレーすることが想定される。そのスタンスでゴールが生まれれば、北中米W杯メンバー入りへの道を切り開けるはず。

 2019年にはU-20日本代表として、U-20W杯で5試合に出場している。日本で唯一無二と言える、対応力の高い大型アタッカーと言って過言ではない。

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 京都は今週末の5日、ホームでアルビレックス新潟と対戦する。ラファエル・エリアスの復帰もあるか。

Posted by 塚越始