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NetflixのWBC放映権獲得「キャンペーン期間は終了した」。プロ野球ビジネス第一人者の小林至氏が詳しく解説

ロサンゼルスでのドジャース大谷翔平を描いたラッピングバス。(C)SAKANOWA

主催者は“メジャーリーグ・ベースボール”。

『Netflix』(ネットフリックス)が8月26日、2026年3月に開催されるワールドベースボールクラシック(WBC)、全47試合の日本での配信の独占権を獲得したと発表した。

 この発表を受けて、元ロッテ・マリーンズ投手でソフトバンク・ホークスのフロントも担った経験がある小林至氏が8月27日、人気を博すユーチューブチャンネル「小林至のマネーボール〜プロ野球とお金〜」で、「NetflixのWBC独占配信が表す意味/MLBはいよいよ刈り取りに入った/地上波放送は今後どうなる?」と題したコンテンツを公開。さっそく多くの人が視聴し、話題を集めている。

 小林氏はFIFA(国際サッカー連盟)主催のサッカー・ワールドカップ(W杯)との異なる構造、放映権との対比などを詳しく解説。WBCの主催者は「WORLD BASEBALL CLASSIC INC.」となっているが、実際はメジャーリーグベースボール(MLB)であり、「これまではキャンペーン期間で、MLBが刈り取りに入った」と説明した。

 日本の地上波テレビ局が支払える額はCM収入から考えても約15億から20億円が「限界ではないか」と見る(動画内では細かい内訳の見込みも語っている)。すでに日本では1000万人の会員がいると見られるネットフリックスは「100億円は軽く払っていると思います」と推察し、資金力の差は明らかだという。

「(WBCのペーパービュー化は)スポーツに関わる人は、いつか来るだろうと予想していました。サッカーのヨーロッパリーグもそうなったように。スポーツコンテンツはこうなっていくということ。筋書きのない毎日のドラマであるスポーツは最強コンテンツですから。ただその価値を日本は支払ってこなかった」

 ネットフリックスが、クリスマスに開催されたNFL(ナショナル・フットボール・リーグ)の2試合に220億円を支払った例なども紹介。それも“当たった”ということで、プラットフォーマーが、会員獲得へスポーツの権利獲得に動いていると解説している。

 加えて日本の地上波テレビ局の体力が落ちているなか、ネットフリックスは日本全体の約3倍にあたる6兆円規模の体力があり、「軽く100億円以上は支払えます」と予想する。「地上波にキャンペーン価格で売るのはこれまでです、ということ」と時代の流れであると受け止めている。

 あくまでもFIFAなどと異なり、WBCの主催はMLBである点を強調している。老若男女問わずスポーツ視聴できる“鎖国化”がこれまで上手くいってきた日本だが、アメリカが先行する権利獲得の“争い”に加わっていく。その節目になると予測している。

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 小林氏は「ユニバーサルアクセスについて、より議論になっていくでしょう」とも語る。動画内ではサッカーや他のプラットフォームの売り上げなど、様々な具体的な金額も例に挙げ、より詳しく語っている。