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【高知ユナイテッド】ハラスメントは認定されず、山本志穂美社長に厳重注意。ただし、雇用面で多数の問題点指摘

高知ユナイテッドのエンブレム。(C)SAKANOWA

入社前の行事、スタッフは交通費と宿泊費を自費で参加。問題の根幹に「雇用について不安・不信を抱きながら就業していた」。

 J3リーグの高知ユナイテッドSCは11月11日、精神的なハラスメント行為があったと告発を受けた山本志穂美社長に関する内部調査委員会(取締役と外部弁護士で構成)による調査が終了し、「パワーハラスメントに該当するとまでは認められなかった」として、厳重注意処分を科したと発表した。

 スタッフから外部相談窓口に「健全で安全な業務を行うための申し立てについて」と題し、精神的苦痛を受けたとして申告があった。その後、ヒアリングを実施。調査の結果、「パワーハラスメントに該当するとまでは認められなかった」とするものの、雇用のルールに関して多くの問題があったと指摘されている。

◎雇用上の問題
・スタッフが入社前に会社の行事や研修に参加したところ、その対価や交通費、宿泊費等が支払われていないことが判明。行事や研修への参加は一般的に業務と判断でき、労働基準法違反ともなりうる行為であるため、会社として今後、給与等支払いへの適切な対応が求められる。

・スタッフとの間で雇用契約書の作成と締結がされていないことが判明した。実際、雇用後に労使間で雇用内容について認識の相違が生じており、今後是正が必要。

 また、労働条件通知書が交付されていないことも明らかになった。労働条件を記した書面の交付は法律上必須とされており、労働基準法違反が疑われるため、直ちに是正が必要。

 社長という立場にある山本氏とスタッフの対話不足、そして、こうした雇用上の不安定な関係のなかで「スタッフは自身の雇用について不安・不信を抱きながら就業していた」ことが判明。この問題の根幹にあると指摘し、改善を求めている。

 山本社長は次のようにコメントしている。

「この度、私に対してスタッフからハラスメントの申し立てにつきまして、多大なるご心配とご迷惑をおかけしておりますこと、心よりお詫び申し上げます。

 調査結果では、パワーハラスメントの認定はされず疑いが晴れて安心致しました。しかし、私の言動等により不安や負担をかけてしまったスタッフには大変申し訳なく思っております。

 昨年より、社長に就任しJリーグ参入やJリーグクラブとしての成長を目指して懸命に取り組んで参りました。その中で、体制的に厳しかったこともあり、社長である私自身が率先して業務を行っていかなければならなかったことに加え、本来の社長業務である会社のマネージメント部分が手薄になっていたように思います。

 今後は、二度と同じことが起きないよう、経営経験が豊富な森下会長の下、社外取締役の皆さまや関係者の皆さまからのお力をお借りしながら、より良いクラブ創りを共に行ってまいりたいと思います。

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 今季は早いもので残り3試合となりました。皆様と創り上げたJリーグクラブを守り抜くため、地域に愛され必要とされるクラブになるべく更に精進して参りますので、皆様の応援を賜われますよう引き続き、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます」