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大谷翔平とローテ形勢へ。佐々木朗希、「先発」での完全復帰への条件とは?

ドジャースの佐々木朗希。写真:AP/アフロ

鍵は「159キロ超え」速球の安定感。

 アメリカ・メジャーリーグベースボール(MLB)ロサンゼルス・ドジャースが2026年シーズンに向けて先発ローテーションの編成を進めるなか、佐々木朗希の復帰プランが注目されている。

 ドジャース公式サイトによると、佐々木は今秋のポストシーズンでリリーフを務め、10回2/3で自責点1、3セーブと好投した。なお、この起用は「翌年の先発復帰を前提としたもの」だったと説明している。

 佐々木とチームにとって、この限定起用によるプラス効果は大きかった。フォーム改善や制球面の向上など、短いイニングに集中したことで多くの成果を得た。

 とりわけ球速の回復は明確な進歩だった。同サイトによれば、先発時は99マイル(約159キロ)以上の速球は8球だった。一方、リリーフでは46球にまで増加したというのだ。

 全力投球が可能な環境で、佐々木が持ち味である球威を取り戻し始めたことを示すデータだ。

 一方、課題も残る。ポストシーズン後半は平均球速がわずかに落ち、最終盤の数試合は98マイル台となり、空振りの数が伸びず、連投や疲労の影響を受けやすい状態だったというデータもある。

 長いイニングを投げる先発としては、安定感がシーズンを通して問われることになる。それでも、ドジャースは佐々木を「非常に優秀な先発投手」と評価しており、ポストシーズンで二刀流を復活させた大谷翔平(Shohei OHTANI)とともに、2026年の開幕からローテーションに戻す計画は揺らいでいない(もちろん山本由伸もその一角に)。

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 スプリットの空振り率向上や四球減少といったリリーフ経験の成果を、先発の舞台に生かしたい。ドジャース3連覇へ、佐々木の右腕が鍵を握るシーズンになりそうだ。