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【現地発コラム】バイエルンの満員記録が途絶えた理由。アリアンツアレーナの外では“抗議”の姿も…

キム・ミンジェの退場処分に、なぜだ! という表情を浮かべるハリー・ケイン。(C)Midori IKENOUCHI

ゴール裏閉鎖、それでも快勝│FC BayernとMunichに恋して

 FCバイエルン・ミュンヘンはウインターブレイク明けの1月21日、UEFA欧州チャンピオンズリーグ(欧州CL)での最初のホームゲームをアリアンツ・アレーナで迎えた。ラウンド16へのストレートインとなるリーグフェーズ8位以内確定を懸けたベルギー1部首位のロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ(ユニオンSG)との一戦、ブンデスリーガとベルギーの王者対決として注目を集めた。

 しかし、この試合では異例の光景が広がった。バイエルンの熱狂的サポーターが集う聖地Südkurveが全面的に空席となった。12月に行われたCLスポルティング・リスボン戦で、スタンド内で大量の発煙筒が使用されたことを受け、UEFA(ヨーロッパサッカー連盟)からペナルティが科され、Südkurveの9,336席が閉鎖された。

 その処分に抗議するかのように、試合前、アリアンツ・アレーナ周辺ではバイエルンのファンによるデモも見られた。通常は7万5,000人で埋まるスタジアムから約1万人が欠けただけで、場内の雰囲気は明らかに違って見えた。

 試合では、前週のブンデスリーガ・RBライプツィヒ戦で復帰したジャマル・ムシアラがベンチ入り。親しいアルフォンソ・デイヴィスと並んで控えに座り、ホームでの復帰登場に期待が集まった。キックオフは21時。厳しい寒さのなかでのナイトゲームとなった。

 バイエルンは前半から主導権を握り、何度もゴールに迫ったが、得点を奪えないまま後半へ。後半にはハリー・ケインが立て続けに2ゴールを挙げてリードを奪うものの、キム・ミンジェがレッドカードで退場する波乱もあった。

 この日は主審の判定を巡って選手たちの不満が噴出し、両チームが詰め寄る場面が何度も見られた。試合はたびたび中断し、スタンドもざわつく展開に。観客席からのヤジや、時には物が投げ込まれる場面もあり、落ち着かない空気が漂った。

 67分には伊藤洋輝がピッチに投入され、同時にデイヴィスも出場。久々に見せたデイヴィスのスピードあるドリブルに、アリアンツ・アレーナは大きく沸いた。負傷離脱していた選手たちが少しずつ復帰していることは、バイエルンにとって明るい材料だ。

 バイエルンは2-0で快勝し、欧州CLラウンド16進出を確定させた。さらにリーグフェーズ最終8節のPSVアイントホーフェン戦も勝利を収め、同フェーズ2位で終えた。

 昨季はプレーオフに回ったことで過密日程になり、インテル・ミラノに敗れベスト8で姿を消した。その反省を生かし、「リーグフェーズ8強」をクラブの目標にして、ヴァンサン・コンパニ監督のもと、しっかり達成してみせた。

 今季のバイエルンの目標は欧州CL制覇。ムシアラらも戦列に戻り、一段と充実感を高めている。

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photos and text by Midori IKENOUCHI