輪郭の浮かんだ王者・鹿島アントラーズの挑戦。鬼木体制2年目の開幕戦はFC東京にPK戦で苦杯、日本代表GK早川友基「ゲームを支配し、ボールを持ち、揺さぶって…」
鹿島のGK早川友基。写真:松村唯愛/(C)Yua MATSUMURA
たとえ数的不利でも、90分間での勝機を見出す
[特別大会 地域1節] FC東京 1(5PK4)1 鹿島 / 2026年2月7日13:30 / 味の素スタジアム
J1リーグの鹿島アントラーズは2月7日、特別大会「J1百年構想リーグ」のFC東京との開幕戦、1-1で90分を終え、PK戦の末に敗れた。今大会の規定により勝点1を獲得した。
鬼木達監督の就任2年目、すでにAFCアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)エリートの出場権を獲得している鹿島にとって、この大会は大きな旨味があるとは言い難い。特に主力選手にとってはモチベーションの維持が難しい位置づけとなっている。
日本代表にも選ばれるGK早川友基は試合後、「やはり90分のなかで勝ちきることがベストですけど、結果的に今日は勝点1だったと受け止めています」と振り返った。そのうえで昨季リーグ制覇を果たしたチームが、さらに力強さを身に付けていくためのタームだと語る。
「昨年優勝しましたけど、どれだけ上積みできるか。自分たちが思い描くようなサッカーに近づけるかが課題です。自分たちがゲームを支配して、ボールを持って、揺さぶって、相手の嫌がることをやっていく。そういう部分は昨年できていなかったので、今年はそこを目指しています」
鬼木監督が理想に掲げるのは「圧倒するサッカー」だ。そのためには1点を取って満足するのではなく、2点目、さらに3点目を奪い相手を凌駕することを目指す。
昨シーズン終盤も、決して守り抜くためだけの守備をしていたわけではないが、“襲い掛かり、2点目、3点目を狙っていく”という理想の形から見れば、やはり勝点獲得と9年ぶりの優勝のため、少なからず現実的な戦いを強いられたのは否めなかった。
「テンポの部分で、うまくいかないシーンもありました。ただ、今はまだいろいろトライしていける時期だと思います。鬼さん(鬼木監督)が描くサッカーの基準は高いですけど、そこを表現していけるようにしていきたいです」
このFC東京戦では、早川のビルドアップからボールを失い、41分に三竿健斗がDOGSOによる一発退場となり、数的不利を強いられた。その時点でゲームプランが大きく狂ったのは事実。
そんな劣勢を強いられても勝機を見出し、限られたチャンスをものにしようとする。その理想を本気で追求し、結果につなげる――。そうした思い切ったトライこそが、鹿島のハーフシーズンでのテーマとなる。
鈴木優磨も試合後、「昨年からの課題で、後ろと前との距離があまりよくなかった。いい時間帯もありましたけど、後ろが重たくなって、前の選手からすると距離が遠くなっていると感じました。修正していきたい課題の一つです」と語っている。
数的不利のなかで90分間をドローに持ち込んだとしても、PK戦で敗退すれば、言いようのない苦さが残る。あくまでも90分で勝利する――その姿勢を貫くことが、このあとのリーグ戦にも直結していくはずだ。
鬼木体制2年目、鹿島がどのような意図を持って戦おうとしているのか。その輪郭が浮かび上がった特別大会の初戦だった。
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次節は2月14日、横浜F・マリノスとのホーム開幕戦に臨む。




