ドイツで高い適応力を示す久保裕也の日本代表入りはあるか?
フランクフルト戦、トップ下でプレーしたニュルンベルクの久保裕也。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
前線のあらゆるポジションをこなし、流暢なドイツ語でインタビューに応える。
今季ベルギーリーグのゲントからブンデスリーガの1.FCニュルンベルクに移籍した久保裕也が、高い適応力を示している。
チームはこれまでリーグ戦2勝3分4敗の14位と、ドルトムントに0-7、ライプチヒに0-6という大敗を喫するなど苦しみながら、軌道修正を図ってきている。
そのなかで久保は前線のあらゆるポジションでプレーしてきた。両ウイング、センターフォワード、トップ下……。9月22日の4節ハノーファー戦では、4-3-1-2の「1」にあたるトップ下に入ってフル出場し、2-0の勝利に貢献している。チームで何が求められているか、何が不足していて補うべきか、監督の要求は何か。そういったことをトータルで理解し、ピッチに落し込める。変化にも対応できる能力の高さが買われている。
適応力の高さはピッチ外でも見せる。
スイスのヤングボーイズでプレーしていたこともあり、久保のドイツ語はかなり流暢だ。ニュルンベルク加入後にはドイツ語でインタビューに応じて、新天地に懸ける熱い想いを語って、すぐさまサポーターの心を掴んだ。
さらに多言語のベルギーでの1年半を経て、環境への適応力は一段と高まったようだ。
いまだゴールは奪えずにいる。逆にあらゆる役割をこなせる希少なタレントであるがゆえに、得点を奪うということだけに集中できずにいるもどかしさはあるかもしれない。
逆に言えば、まず1点決められれば。それが久保であり、ニュルンベルクの巻き返しへの号砲になるはずだ。
海を渡って6シーズン目を迎える。
その久保が蓄積してきた力は、日本代表でも必要とされるものではないか。南野拓実、中島翔哉、堂安律の日本代表での活躍も刺激となったはず。24歳のアタッカーが彼らを追い越すほどの存在として、日本代表でもポジション争いに食い込んでいきたい。11月シリーズ、久保を招集するのはどうだろうか?
文:サカノワ編集グループ