韓国代表W杯敗退、現地メディア「スターに頼りすぎ。日本の育成を学べ」。『Japan’s Way』指標の『メイド・イン・コリア』始動
2021年3月に行われた日韓戦に出場した日本代表の伊東純也。韓国はここから4人が、これまで監督を務めている。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
もっとも、強烈な個の不在は日本の課題でもあるが――
韓国代表はFIFA北中米ワールドカップ、グループステージでの敗退が決まった。1勝2敗でインパクトを残せず終わったなか、韓国メディア『朝鮮日報』は6月28日、「韓国は数人の天才ばかりに頼ってきた。その間、日本はシステムで選手を育成してきた」と題した特集記事を掲載。韓国サッカーが抱える構造的な課題を分析し、日本の育成システムを引き合いに出しながら改革の必要性を訴えている。
同メディアは、韓国サッカー界が長年にわたり「目先の結果」を優先し、長期的な育成ビジョンを欠いてきたと指摘。その結果、チーム全体の成長ではなく、ソン・フンミンのような突出した個の能力に依存する体質になったと論じている。
実際、「韓国は時折、天才を授かるが、日本は直接人材を育てている」というサッカー関係者の言葉も紹介。世界的スターが誕生しても、それだけでは代表チーム全体の競争力向上にはつながらないという厳しい現実を突きつけている。
さらに、監督交代のたびに戦術や方向性が大きく変わり、パウロ・ベント監督時代に築いたスタイルも、ユルゲン・クリンスマン監督、ホン・ミョンボ監督へ引き継がれる過程で揺らいだと指摘。大会直前のシステム変更を含め、選手たちが十分に戦術を消化できないまま本大会に臨む状況が続いてきたと分析している。
そうした反省から、大韓サッカー協会は2024年、日本サッカー協会の長期育成構想『Japan’s Way』を参考にした『メイド・イン・コリア』プロジェクトを始動。ユース年代からA代表まで一貫したサッカー哲学を浸透させる方針を掲げた。
しかし同メディアは、その後もワールドカップ出場やグループリーグ突破といった短期的な成果を優先する姿勢は変わらず、改革は十分に進んでいないと見る。アマチュア年代でも「大学進学」や「プロ入り」を最大の目標とする風潮が根強く、長期育成とのギャップが残っていると伝えている。
もっとも、この指摘は「ソン・フンミン時代」の終焉を象徴する論調にも映る。長年にわたり韓国代表をけん引してきた存在に依存してきた時代が一区切りを迎え、世代交代と組織づくりが避けられない局面に入ったという見方もできる。
一方、日本も絶対的なスターの不在は課題に挙がる。それでも、「ポット1」のW杯強豪国との差をいかに組織力で埋め、勝利の可能性を高めるか。その意図と狙いをチーム全体に徹底できる点で、森保一監督の手腕は高く評価されている。
韓国が「個」に偏り、日本が「組織」に強みを持つ構図は対照的だが、それぞれ異なる課題を抱えているとも言える。
今回の韓国メディアによる自己分析は、自国サッカーが長年抱えてきた構造的問題への危機感の表れとも受け止められる。『メイド・イン・コリア』が今後、本当の意味で長期プロジェクトとして定着するのか。永遠のライバルである日韓が互いに切磋琢磨し続けることも、アジア全体のレベルアップには欠かせない。
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