【浦和】曺貴裁監督がクロップとトッテナムを例に示した方向性「ハイブリッド型でいく」

浦和の監督就任会見に臨んだ曺貴裁監督(右)と堀之内聖スポーツダイレクター(左)。写真:石橋俊治/(C)Toshiharu ISHIBASHI

「監督のスタイルを優先するのか、いる選手の特長を優先するのか?」という質問に対し――

 浦和レッズの2026-27シーズンの新体制発表記者会見が7月5日、埼玉スタジアムで行われた。2006年以来のリーグ優勝を狙うなか、今季就任した曺貴裁監督は方針やスタンスについて語った。

 昨季途中まで率いたマチェイ・スコルジャ体制下では、ボールをしっかりとキープし、試合の主導権を握りながらサイドを活用してゴールを目指すスタイルを狙った。曺監督のもと、堀之内聖スポーツダイレクターは「縦への推進力のあるサッカー」を狙うと掲げた。

 これまでのスタイルをベースに新たな要素を加えるとも言えるが、改めて新たなスタイルを構築し直す、とも解釈できる。

 現在の浦和には、これまでのチームづくりもあり、ボール扱いに長けたテクニックのある選手が多く所属している。「監督のスタイルを優先するのか、いる選手の特長を優先するのか?」という質問に対し、曺監督はユルゲン・クロップの例を挙げて答えた。

「(クロップは)1.FSVマインツ05、ボルシア・ドルトムント、リバプールFCと3クラブを率いたが、いる選手に合わせて、例えばサラーがいるのか、誰がいるのかで結果を残されてきた監督だと思います。当然マインツとリバプールでは、知っている限り、かなり色合いが変わっています」

 ただし、クロップのコンセプトは変わっていなかったとも言う。

「それは当然いる選手で変わっていかなければいけないことですが、根本的なフットボールはどのチームでも見せていたと感じます。根本的に変えていけないことと、いる選手や相手の布陣によって変えていかなければいけないことが混在しています。当然ハイブリッド型でいかないと、試合に勝ち切るのは難しいと思っています。そこはスタッフと相談し、選手と会話して積み上げていかなければいけないことだと思っています」

 また、2023年夏にAFCアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)を制したものの、その後のチームはインパクトを残せず下降線を辿っている。「優勝」を目標に掲げることについて、次のように語った。

「選手たちにはまず、優勝やタイトルを獲るという言葉が独り歩きしてはいけないと伝えました。そのために、毎日どう過ごさなければいけないのか。それは充実した日々の積み重ねしかありません。目の前の試合を充実した内容で勝つこと、それを38試合すること。そのあとにそういうもの(優勝やタイトル)が見えてくると想像していくしかありません」

 そのうえで曺監督は「ただ浦和レッズは、そういうものを皆さんから期待され、望まれ、本来言葉だけでは済まされてはいけないものであり、そこに近づく努力はしていきたいです」とも語った。

 2025シーズンは京都でリーグ3位に食い込み、クラブ初のACLエリートの出場権を獲得している。

「目の前の試合で全力を出して勝つことでしか、そういうところは見えてきません。一方、例えばプレミアリーグではスパーズ(トッテナム・ホットスパーFC)が残留争いをして降格しそうになりました。数年前では考えられないような順位変動が1年ごとに起きていて、それが現代サッカーの怖いところであり面白いところ。そういったなか、浦和レッズが今シーズン、全員でそのハードルを乗り越えて、高みに向かっていきたいです」

 フル代表のみならず年代別を含め代表経験のある選手が一段と減った。そうしたなか浦和は、U-21発足とともに“育成型クラブ”を目指していくような雰囲気にある。

 果たして新生・浦和は曺監督のもと、どのような進化を遂げるのか。

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