なぜ、鈴木彩艶が第1GK、エミリアーノ・マルティネスが第2GKに? アルゼンチン代表のユーヴェ移籍が破談
鈴木彩艶 写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
指のケガの状況も懸念材料に。
イングランド・プレミアリーグのアストン・ヴィラが2026-27シーズンから、パルマ・カルチョ1913のサッカー日本代表(SAMURAI BLUE)GK鈴木彩艶(Zion SUZUKI)を新たな正守護神に据えることになりそうだ。一方、2大会連続W杯ファイナリストであるアルゼンチン代表GKエミリアーノ・マルティネス(Emiliano Martinez)のユベントスFC移籍は破談したと報じられた。
『ジ・アスレチック』は8月17日、ユベントスが33歳のマルティネス獲得に向けてアストン・ヴィラと交渉していたものの、最終的に撤退を決めたと報じた。ユーヴェは今後、別のGK候補に切り替えるという。
ユベントスは16日にマルティネス獲得へ新たなオファーを提示。クラブ間の希望額の差は縮まり、選手との個人条件も問題にならないと見られていた。しかしクラブ間の交渉は成立に至らず、移籍は実現しないことになった。
一方、アストン・ヴィラは鈴木の獲得でパルマと合意に達したという。
移籍金は3000万ユーロ(約55億円)+ボーナスで、総額3500万ユーロ(約64億円)に達する可能性がある。鈴木とは2031年までの5年契約を結ぶ準備が整っている。
注目されるのが、鈴木とマルティネスの序列だ。
同メディアによると、アストン・ヴィラは2026-27シーズン、鈴木を「第1GK」として起用する意向だという。しかもマルティネスの去就にかかわらず、日本代表GKを獲得する方針だと伝えている。
また一部報道では、昨季終盤に負った指のケガが完治しておらず、その影響を懸念して、補強にも慎重になっているとも言われる。
つまり、ユベントス移籍が破談したマルティネスがアストン・ヴィラに残留した場合、カタールW杯で優勝を成し遂げたアルゼンチン代表GKを差し置いて、鈴木が正守護神を務める可能性があるということだ。
なぜ、そのような序列になるのか。
マルティネスはここ数年、退団を示唆してきた経緯がある。そのためクラブは守護神の退団とその先を見据え、GKの世代交代のタイミングを図ってきた。マルティネスは2024年に5年間の新契約を結んだものの、昨夏にもマンチェスター・ユナイテッドへの移籍が取り沙汰された。今夏もユベントスとの交渉が具体化するなど、その去就は揺れている。
それに対し鈴木は、パルマでセリエAの経験を積み、FIFA北中米ワールドカップ(W杯)でも日本代表のゴールを守った。アストン・ヴィラは23歳の鈴木を今季から第1GKとして起用し、中長期的にゴールマウスを託す構想を描いているようだ。
とはいえマルティネスのヴィラへの貢献度の高さは明らかだ。昨季、公式戦44試合に出場。ウナイ・エメリ監督のもと、アストン・ヴィラのプレミアリーグ4位、UEFAヨーロッパリーグ(EL)制覇に貢献。さらに北中米W杯でもアルゼンチン代表の全8試合に先発し、準優勝している。
アストン・ヴィラは新シーズン、UEFA欧州チャンピオンズリーグ(CL)にも参戦する。イングランドでは実質無名である鈴木彩艶が、本当に第1GKとして起用されるのか。そしてユベントス行きが消滅したマルティネスの去就は――。新シーズンの開幕まで、もう一波乱ありそうだ。
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