【横浜FC 3-1 磐田】なぜ疑惑のPK判定は“誤審”とまでは言い切れないのか? J2でVAR導入論が再燃「ポケモンや国立開催よりも…」
横浜FC対磐田の一戦より。写真:西村尚己/アフロスポーツ
ダニーロのホールディングはどこまで続いていたのか。競技規則では、エリア外から始まった反則でも中まで続けばPKに。
[J2 2節]横浜FC 3-1 磐田/2026年8月16日/MUFGスタジアム(国立競技場)
J2リーグ第2節、横浜FCがジュビロ磐田に3-1で勝利した一戦で、後半開始早々に下されたPK判定が議論を呼んでいる。
横浜FCが1-0とリードして迎えた後半、島村拓弥が右サイドからドリブルで仕掛けた。磐田のダニーロが対応し、島村のユニフォームを引っ張る形になったあと、島村はペナルティエリア内で倒れた。
池内明彦主審は磐田のファウルでPKと判定。磐田の選手たちはファウルがペナルティエリアの外だったとして抗議したものの、判定が覆ることはなかった。J2ではVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が導入されていない。
このPKをルキアンが決めて、横浜FCが51分に2-0とリードを広げた。その後、島村が3点目を奪い、磐田もジョアン・ヴィクトルのPKで1点を返したものの、横浜FCが3-1で勝利した。
果たして、横浜FCに与えられたPKは“誤審”だったのか。
ポイントになるのが、ダニーロによるホールディング(相手を押さえる反則)が「どこまで続いていたのか」だ。
国際サッカー評議会(IFAB)の競技規則では、守備側の選手がペナルティエリアの外で相手を押さえ始め、その行為がペナルティエリア内まで続いた場合、主審はPKを与えなければならないと定められている。つまり、最初にユニフォームをつかんだ場所だけで反則地点が決まるわけではない。
IFABも具体例として、DFがアタッカーのシャツを引っ張り、その接触がペナルティエリア外から中まで継続したケースでは、エリア内でのホールディングに対してPKを与えるとしている。
今回の場面を映像で見返すと、ダニーロが島村のユニフォームを引っ張り始めたのはペナルティエリアの外だった。そして、島村がエリア内に入る前には、ダニーロの手がユニフォームから離れているように見える。
仮にホールディングが完全に終了した地点がペナルティエリアの外であれば、再開方法は直接FKになる。逆に、わずかでもペナルティエリアのライン上までホールディングが継続していたと主審が判断したのであれば、競技規則上はPKになる。
ただ、この場面をピッチ上で瞬時に見極めるのは極めて難しかった。
島村は体をペナルティエリア内へ入れながら前進している一方、引っ張られているユニフォームは腰よりも上の位置にある。足元の接触であればラインとの位置関係を比較しやすいものの、上半身で起きているホールディングだけに、「手が離れた瞬間」とペナルティエリアのラインとの位置関係を主審が正確に把握する難易度は一段と高い。
さらに角度によっては選手の体が重なり、副審からもダニーロの手元を確認できなかった可能性がある。
リプレー映像では、ダニーロが手を離した地点はエリア外だったように見える。そのためFKが妥当だったのではないかという見方はできる。ただし、角度や位置関係によって見え方も変わる。映像を止めながら確認してようやく議論できるほど際どい場面でもあり、ピッチ上の判定を「明らかなミスジャッジ」と断定するのは難しい。
むしろ今回の一件は、J2にVARが導入されていないことを改めて浮き彫りにした。
SNSでも判定を巡って様々な意見が飛び交い、「J2にもVARを導入してほしい」といった声が相次いだ。なかにはリーグの様々なイベントやプロモーション、国立開催などよりもVAR導入を優先してほしいとして、「ポケモンや国立開催よりも…」と訴えるファンの投稿も見られた。
53,973人が詰め掛けた国立での一戦、勝敗を大きく左右する形になったPK判定は、J2でのVAR導入を巡る議論を再び活発化させることになりそうだ。
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