中村ゆりさん 44歳での訃報、手術後に転移…40・50・60代が知っておきたい、がん治療で「手術が成功しても」残る難しさ
中村ゆりさん 写真:2022 TIFF/アフロ
押川勝太郎医師がYouTubeで解説。「食べられなければ点滴で」とはいかない理由
俳優の中村ゆりさんが直腸がんのため44歳で亡くなったという発表を受け、がん治療医の押川勝太郎氏がこのほどYouTubeチャンネル「がん防災チャンネル・現役がん治療医・押川勝太郎」で、闘病中に起こる腸閉塞について一般論として解説した。非常に分かりやすく好評で、動画は公開から5日間で30万人以上に視聴されている。
動画で紹介された経緯によると、中村さんは13年前にもがんを患い、その後は寛解して仕事を続けていた。しかし昨年1月に再びがんが見つかり、手術後には転移も判明。治療を受けながら、より長く、自分らしく生きることを目指していたという。
40・50・60代は、自分自身だけでなく家族や友人ががん治療と向き合う機会も増える世代だ。腸閉塞は単なる便秘や食欲不振とは限らず、治療中に起こり得る問題の一つとして知っておきたい。
中村さんは今年8月、復帰に向けて回復に努めるなかで腸閉塞を起こし、厳しい見通しを告げられたとされる。
腸が詰まったのなら、手術でつなぎ直せばいいのではないか。人工肛門をつくったり、点滴で栄養を補ったりできないのか。中村さん本人の詳しい病状や亡くなった原因は分からないことを踏まえ、押川氏はそうした疑問に答えた。
腸閉塞は、腸の内容物が先へ進めなくなる状態だ。がんが原因の場合、詰まっているのが一か所とは限らない。お腹の中にがんが広がり、複数の場所で腸が狭くなっていると、一部分を処置するだけでは解決できないことがある。
食事を取っていなくても胃や腸では消化液が出る。流れが滞れば、お腹の張りや強い吐き気、痛みにつながる。点滴で水分や栄養を補っても、詰まりや原因のがんがなくなるわけではなく、体力や全身状態によっては手術も大きな負担になる。
チューブでたまった内容物を排出したり、薬で吐き気や痛みを和らげたりする方法もある。一方で、治療を重ねても対応が難しくなる場合があることを、押川氏は伝えている。
ただし、押川氏は、がん患者全員が腸閉塞になるわけではなく、起きたあとの経過や対応も一人ひとり異なると強調。症状や不安は主治医に相談し、病状が悪化した場合の対応も家族と共有しておくよう呼び掛けている。
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