【高校サッカー】詳報:穴あきゴールPK失敗、極めて難しい最終ジャッジ。誤審でも勝者変わらず? PK再戦や再開、勝者変更、再試合も!?│東京都予選 駿台学園×東海大高輪台
高校サッカー選手権のエンブレム。(C)SAKANOWA
判定ミスとするのか、それとも競技規則の適用ミスがあったのか。地区大会としての“柔軟性”も注目点に
[高校手権東京都Bブロック 2次予選準々決勝] 駿台学園 0(12PK11)0 東海大高輪台/2026年10月24日/清瀬内山グラウンドC面
全国高校サッカー選手権東京都大会Bブロック2次予選、駿台学園高と東海大高輪台の準々決勝はスコアレスで引き分けに終わった。決着はPK戦に委ねられ、14人目まで突入。駿台学園が12-11で勝利し、ベスト4進出を決めたと発表された。
しかし、このPK戦で、まさかの出来事が起きた。
PK戦は両チームが一人ずつ失敗したあと、サドンデスに突入。二巡目に回っての13人目、先攻の駿台学園が失敗。そして後攻の東海大高輪台が決めて、勝負あった! はずだった。
しかし、そのあと審判団の協議により、東海大高輪台のキックは枠外だったと判定が覆る。そしてPK戦が再開。14人目は先攻の駿台学園が成功し、東海大高輪台が失敗して決着がついた。
ところが試合後、東海大高輪台の13人目のPKがゴールの枠を捉え、ゴールネットの穴を抜けていたとみられる動画がSNSで拡散された。しかも、その時点で、一度主審は終了の笛も吹いていた。
つまり、映像で確認できるようにゴールが決まっていたのであれば、東海大高輪台のキックは成功で、その時点で勝ち上がりを決めていたことになる。ところが、審判団の話し合いなどにより、PK失敗と判定が変更され、14人目のPK戦が続行されたのだ。
試合の判定は原則として覆ることはない。しかし、東京都高等学校体育連盟サッカー専門部は26日、この試合について「現在対応を協議しています」と発表した。同専門部は「対応が決まり次第お知らせをいたします。近日中に協議内容を当ホームページにてお知らせさせていただきます。憶測などによる誹謗中傷などがないよう、ご理解とご協力をよろしくお願いいたします」と呼び掛けている。
焦点になるのは、単なる判定ミスとするのか、それとも競技規則の適用ミスがあったのか、という点だ。
競技規則では、ボール全体が両ポストの間、クロスバーの下でゴールラインを越えれば得点となる。ネットに収まることは条件ではない。そのため、今回のキックが映像どおりにゴールの枠内を通過していたのであれば、本来は成功と判定されるべきだった。
一方、主審による決定は原則として最終とされる。公式の判定支援システムではないSNS上の映像を根拠に、試合後の判定を変更することは基本的に認められない。
もちろん、駿台学園の選手たちを責めるべきではない。13人目のキックはGKの背後を通過しており、ネットの穴からボールが抜けたのであれば、選手自身も正確に状況を把握するのは難しかったはずだ。
また、主審が一度終了の笛を吹いたこともポイントになる。ただし、笛が鳴っただけで、その時点の判断が必ず確定するわけではない。審判団が協議したタイミングや、その後の手続きも検討する必要がある。
過去には、JFAがPK戦の競技規則の適用ミスを認め、勝ち上がりの決定を取り消した例がある。
2018年の天皇杯2回戦、名古屋グランパス対奈良クラブでは、キッカーのフェイントを巡って主審が競技規則の適用を誤り、PKのやり直しを命じた。当初は奈良クラブが勝ち上がったものの、JFAは国際サッカー評議会(IFAB)に確認したうえで、PK戦全体のやり直しを決定した。
このケースは、審判によるジャッジではなく、競技規則の明らかな適用ミスが問題とされた。今回のように、ゴールネットの穴によってキックの成否を見誤ったとみられる事例とは事情が異なる。
また、今回の判定が試合中ではなく、終了後に勝ち上がりを決めるPK戦で起きたことも、検討すべき点だ。2018年の事例でも、JFAはIFABの見解を踏まえ、PK戦は試合の一部ではなく、次のラウンドに進むチームを決めるための方式だと改めて説明している。
今回は、あくまでも判定ミスとして駿台学園の勝ち上がりが維持されるのか。それとも競技規則の適用ミスなどが認められ、PK戦のやり直しや再開、あるいは勝者の変更などを含む別の対応が検討されるのか。
もちろん、いずれの対応が競技規則上認められるのか、現時点で断定することはできない。
また、全国大会ではなく東京都予選であることから、大会規定の範囲内で、どこまで柔軟な対応が認められるのかも(例えば、協議のうえで再試合など)、一つの注目点となる。Bブロックの準決勝は11月8日に予定されている。
いずれにせよ、どちらかが勝ち上がり、どちらかが敗退する。両校の選手たちにとって納得できる結論を導くためにも、極めて難しい最終判断が求められる。
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