【サッカー日本代表】上田綺世はアジア杯も微妙。大迫勇也や鈴木優磨の抜擢へ 森保監督の“決断”に期待したい
神戸の大迫勇也(左)、鹿島の鈴木優磨(右)。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA 松村唯愛/(C)Yua MATSUMURA
北中米W杯のFW陣で、レギュラーは他になし
日本サッカー協会(JFA)は11月4日、シンガポールでのブラジル代表、パラグアイ代表戦に臨むサッカー日本代表(SAMURAI BLUE)のメンバーを発表する。現在、足底筋膜断裂で離脱中のエース上田綺世は、11月シリーズの欠場が確定。1月開催予定のサウジアラビア・アジアカップでの招集も読めず、いずれにせよフル稼働は難しく、この11月シリーズでは、そのあたりを見据えたチーム作りが求められる。
北中米ワールドカップ(北中米W杯)に臨んだFW陣のうち、所属クラブでもレギュラーを務めているのは上田(LOSCリール)だけだ。SCフライブルクの後藤啓介は2試合連続でゴールに絡むなど結果を残しつつあるが、ベンチスタートが続く。DFBカップのフライブルク対VfLヴォルフスブルク戦では後藤と塩貝健人がともに2ゴールを決めたものの、塩貝もリーグ戦では控えが続いている。
FC町田ゼルビアに加入した小川航基は最近、先発起用が増えつつあるが、不動のレギュラーとは言えない。また、コンスタントに結果を残せずにいる。
また、CFとサイドで起用されるイプスウィッチ・タウンFCの前田大然もプレミアリーグ9試合に出場しているが、最近はベンチスタートとなっている。
森保一監督もストライカーには所属クラブでの「結果が大切なポジション」と語ってきた。ただし、勢いを買ってW杯でも抜擢した後藤、塩貝は、なかなかそこから突き抜けきれずにいる。
エクアドル代表戦で横浜F・マリノスの谷村海那が先発に抜擢されたのは、上田に続いてゴールを量産してきた日本人ストライカーということで、チャンスが巡ってきたことが分かる。
もちろん森保監督が後藤と塩貝を再び招集することは十分考えられる。
とはいえ、アジアカップでのタイトル奪還を目指すうえで必要なのは「柱」だ。上田不在時のタレントがなかなか出てこない状況にある。森保監督は小川を重宝してきたが、その期待に応えきれずにきたとも言える。
アジアカップ優勝――。大会後の退任が決まっている森保監督にとって最後の大会になる。
森保ジャパン8年半の集大成となるだけに、例えば、いまなお神戸の前線を牽引し続ける第1次体制のエース大迫勇也の抜擢、あるいは待望され続けてきたJ1リーグの最前線で明らかな違いを生み出してきた王者・鹿島アントラーズの鈴木優磨のサプライズ招集など――メンバーが固定されてきた日本代表に刺激を与え、タイトル奪取に突き進むための体制を作れないだろうか。
タイトルを獲るための采配や人選。そのあたりが「情」や「和」を優先してきた森保監督に欠けてきた点でもある。
このアジアカップは、優勝以外に目的はないと言って過言ではない。
上田について、所属するリールのダビデ・アンチェロッティ監督は早期復帰を期待している。しかし、それはあくまで指揮官の希望であり、実際の回復時期が確定したわけではない。
足底筋膜断裂は、ケガの程度によっては回復までに3か月以上を要することも考えられる(高井幸大も同じ足底腱膜を痛め、実戦復帰まで約5か月を要した。ただし途中で大腿四頭筋も負傷)。仮に11月や12月に戦列復帰できたとしても、十分なコンディションを取り戻せるかは不透明だ。再発への不安などもあり、所属クラブがアジアカップへの派遣に慎重になり、上田を手放したがらない可能性もある。
アジアカップは大陸別の王者決戦になるため、協会の招集希望にクラブが応じる義務がある。ただし負傷の回復状況によっては、リールと日本協会との調整が難航することも考えられる。森保監督は、上田抜きで大会に臨む事態も想定しておかなければならない。いずれにせよ、これまでのようなフル稼働は避けなければいけない。
森保監督は上田を9・10月シリーズ4連戦の全試合で起用した。そしてフランスに戻った上田は、所属クラブでの試合中に負傷した。
今回の負傷と代表活動との因果関係を断定することはできない。それでも、チームで最も貴重な戦力である三笘薫、冨安健洋に続き、厳しい日程でハードに起用してきたことで、同じような失敗を繰り返しているのではないか。
このあたりのマネジメントの拙さについて、日本サッカー協会として、そろそろ対策しなければいけないはずだ。
北中米W杯では三笘が不在で、冨安も万全とはいかなかった。今度はアジアカップでエースが不在になるかもしれない――。
一方、プロフェッショナルとして、チームにタイトルをもたらしてきた大迫、鈴木が持つ勝利のメンタリティこそ、いま求められているのではないか。
森保監督がどのような決断を下すのか。11月4日に行われるメンバー発表の記者会見が注目される。
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