【J1監督去就状況】交代は3~5チーム?1月5日からアジア杯、早めの体制作り進む
写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
C大阪、柏、長崎が退団決定。鳥栖も? 名波監督は東京VとのJ1参入決定戦次第か。
J1リーグは12月1日の34節で全日程を終えて、川崎フロンターレの2連覇で幕を閉じた。一方、17位の柏レイソル、18位のV・ファーレン長崎のJ2降格が決定。16位に終わったジュビロ磐田が12月8日にヤマハスタジアムで、東京ヴェルディとのJ1参入プレーオフ決定戦に臨むことになった。
今オフの傾向として、来年1月5日からUAEアジアカップ(日本代表の初戦は9日のトルクメニスタン戦)があるため、その大会に招集されそうな日本代表クラスの選手が早い段階で新シーズンの去就を決めなければならないことが挙げられる。そのため、それぞれのチームも来季の体制をできるだけ早い段階で決定している。有力選手の動向に影響を及ぼしかねないからだ。加えて天皇杯の前倒し開催も影響。最終節前にほとんどのクラブの監督が固まっていった。
その意味では、プレーオフに回ったジュビロ磐田は、12月8日の東京ヴェルディ戦に集中するため、来季へのチーム作りが多少なりとも出遅れてしまうことは否めない。ただ多くの有力な戦力を集め、昨季6位に導いた名波監督に対するクラブの評価は高い。東京Vとの戦いに、その進退も懸かってくるか。たとえ降格したとしても名波監督のもと、一枚岩となって戦う選択をすることも考えられる。一方、東京Vが11年ぶりの昇格を果たした場合、ロティーナ監督の去就も真っ先に注目の的となる。
12月3日午後15時30分の時点で、来季の監督交代が決定的、または退任決定しているのが3チーム。J2降格の決まったV・ファーレン長崎は高木琢也監督の退団に伴い、手倉森誠元リオ五輪代表監督の就任が濃厚。同じくJ2に降格する柏レイソルはクラブに3年連続主要タイトルをもたらしたネルシーニョ氏の復帰が確実と言われる。また、C大阪は昨季2冠を獲得したユン・ジョンファン監督の退任が決定している。さらにサガン鳥栖は、就任から5試合を3勝2分の無敗で切り抜けてJ1残留のミッションを果たした金明輝監督の続投とともに退任の噂も出ている。
2018シーズン中、浦和レッズ、ガンバ大阪、ヴィッセル神戸、サガン鳥栖、柏レイソルと5チームで監督交代劇があった。そこで浦和のオズワルド・オリヴェイラ監督、G大阪の宮本恒靖監督、神戸のフアン・マヌエル・ウィージョ監督が、結果を残すだけでなく内容も伴った戦いを披露し、立て直しに成功してみせた。一方、柏は”賭け”に失敗した感は否めず、鳥栖もまさに首の皮一枚で来季へつなげた。やはり監督交代という「最後のカード」のもたらす力の大きさと怖さの両方を改めて思い知らされるシーズンにもなった。
文:サカノワ編集グループ
▼J1リーグ/監督去就状況(12月3日15:30時点)
チーム名 | 監督 | 去就状況 |
コンサドーレ札幌 | ミハイロ・ペトロヴィッチ | 【続投濃厚】 |
ベガルタ仙台 | 渡邉 晋 | 【続投濃厚】 |
鹿島アントラーズ | 大岩 剛 | 【続投濃厚】 |
浦和レッズ | オズワルド・オリヴェイラ | 【続投決定】 |
柏レイソル | 岩瀬健→ネルシーニョ? | 【就任濃厚】 |
FC東京 | 長谷川健太 | 【続投決定】 |
川崎フロンターレ | 鬼木 達 | 【続投決定】 |
横浜F・マリノス | アンジェ・ポステコグルー | 【続投決定】 |
湘南ベルマーレ | 曺 貴裁 | 【続投濃厚】 |
松本山雅FC | 反町康治 | 【続投決定】 |
清水エスパルス | ヤン・ヨンソン | 【続投決定】 |
ジュビロ磐田 | 名波 浩 | 【続投濃厚(J1残留の場合)】 |
ガンバ大阪 | 宮本恒靖 | 【続投決定】 |
セレッソ大阪 | ユン・ジョンファン→??? | 【退任決定】 |
ヴィッセル神戸 | フアン・マヌエル・ウィージョ | 【続投決定】 |
サンフレッチェ広島 | 城福 浩 | 【続投決定】 |
サガン鳥栖 | 金 明輝 | 【退任の可能性あり】 |
V・ファーレン長崎 | 高木琢也→手倉森誠 | 【就任濃厚】 |
大分トリニータ | 片野坂知宏 | 【続投決定】 |