【浦和】復活のズラタンがゴール宣言「苦しい時、必ずチームを助ける」
浦和レッズのズラタン。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
シーズン最終盤に戦列復帰。敗れたものの湘南戦でキッカケを掴み、天皇杯獲得を誓う。
[天皇杯 準決勝] 浦和 – 鹿島/2018年12月5日19:00/県立カシマサッカースタジアム
浦和レッズのFWズラタンが、11月24日のリーグ33節の湘南ベルマーレ戦(●1-2)で腰などの負傷から復帰を果たして13分間出場し、何度かチャンスを作り出した。最終節のFC東京戦(〇3-2)では出場機会こおなかったがベンチ入りした。
リーグ戦は5試合1得点と結果を残せなかった。それだけに”残り2試合”の天皇杯に懸ける想いは強い。
ズラタンは湘南戦のあと、敗れたものの少なからず手応えを得ていた。
「ビッグチャンスを作れずにいたなか、自分が入ったことでロングボールも使ったり、タメを作ったり、チームとしてペナルティエリア内でのプレー機会が増えた。自分のような高さのある選手が入ったことで相手に脅威を与えられ、監督の求めていた期待に少しは応えられたかなと思っています」
このシーズン最終盤に間に合った。彼は何よりチームの力になりたいと言う。役割は理解している。苦しいとき、劣勢になったとき、チームが1点ほしいとき、必ず力になる――と誓う。
「終盤戦に戻ってこれて良かった。チームとしても、絶対に天皇杯を勝ってやろうというモチベーションが高い。そのなかで、チームを助けたいという気持ちを、僕は誰よりも強く持っている。『結果』を残したい」
ズラタンは浦和を救うゴールを何度も決めてきた。それをサポーターも知るだけに、待望されるのが勝負どころでの一撃だ。
出場時間が限られるなかでも得点できる。ズラタンの勝負強さは浦和でも貴重だ。
「以前師事したコーチが『90分で結果を残すだけではなく、10分で得点を決められる選手も時に大切だ。ゴールで試合を決めるのが君の仕事だ』と言われ、自分はまさに今、そのような期待に応えていきたいと思って試合に臨んでいる」
「思い通りにならない時、変化をつけたい時、僕の高さがチームの武器になるはずだと思っている。もちろん残り試合、チームが好調を保てればそれに越したことはない。ただ、もしも厳しい状況が来たら、僕がチームを助けたい」
描く最高のシチュエーションは、「ファイナル(決勝)で決められたら、グレートカムバックだね」。
ズラタンが決めれば、スタジアムのボルテージも上がるはずだ。
「とはいえ、まずゴールよりも勝つこと。勝利こそが大切だから。そのために僕はプレーしている」
ズラタンが出番を迎えないまま……浦和が優勝する。それでも彼は満足するだろう。
ただ、そうも一筋縄では行きそうもない。そんな時が来れば、スロベニアの大砲が火を噴き、浦和の勝利への道を切り開くはずだ。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI