クラブW杯はボランチ?サイドバック? 鹿島の西大伍が重視する「流れ」
天皇杯準決勝、浦和の興梠慎三と競り合う鹿島の西大伍(22番)。(C)SAKANOWA
今晩開幕。15日夜、メキシコのグアダラハラ戦。
[クラブW杯 準々決勝] 鹿島 – グアダラハラ/2018年12月15日/ハッザーア・ビン・ザイド(UAE)
クラブ・ワールドカップ(W杯)が今晩、地元アル・アイン(UAE)対チーム・ウェリントン(ニュージーランド)で開幕する。
アジア(AFC)代表の鹿島アントラーズは12月15日の準々決勝、中南米・カリブ海代表のグアダラハラ(メキシコ)との対戦で登場する。その試合で、起用法が注目される一人が西大伍だ。
国内最終戦となった12月5日の天皇杯準決勝の浦和レッズ戦(●0-1)ではボランチでフル出場し、サイドにパスを散らし、飛び込んでの惜しいヘディングシュートを放つなど、チャンスに絡んだ。チームではこれまでサイドバックを主戦場にしてきた。ただ、現在はボランチの三竿健斗、サイドバックの小田逸稀、伊東幸敏が負傷離脱中である。そうした状況下、グアダラハラ戦でのポジションは、果たしてボランチか、それとも(内田篤人や山本脩斗のコンディションによっては)サイドバックか。
西は浦和戦で少なからず手応えを得ていた。
「バランスとしては、対レッズの試合の中ではかなり良いほうだったと思います。手応えはありましたが、セットプレーで決められ、相手が『守る』となってしまった。(中盤の守備について)いつもは動きすぎ。守備のときに動かされていると感じていたから」
そのように中央でバランスを保ち、試合をコントロールすることを考えたという。そのなかで反省点も浮かんだ。
「あれだけ引かれると下でつないで崩すのは難しかった。もう少し割り切ってロングボールを入れたほうがチャンスは生まれたかもしれない。(サイドにボールを振っていたが?)僕はサイドチェンジが効くと思ったし、ボランチはその仕事が大事。でも、もう一つ前で、本当はもう少し絡んで、完璧に崩す場面を作りたかったです」
つまり、その課題は次のステージ――クラブワールドカップで生かせることになる。西にとっては2年前の日本で開催された2016年大会に続く出場だ。
「流れが大切になる。こっちが『行くぞ』と思ってもいけないこともあります。その流れっていうのに、みんなが一体となって乗っていくこと」
2年前の鹿島はその「流れ」に乗り、レアル・マドリーとの決勝まで進み、2-1と一時逆転まで持ち込んだ(そのあと60分に1失点、延長に2失点し、計2-4で敗戦)。
「我慢する時間帯があれば、みんなで我慢する。意思をみんなで一つにすることは大事かな」
何より西が楽しみにするのが、未知なる相手との対戦だ。アジアチャンピオンズリーグ(ACL)に続き、勝ち進めば、さらに強いチームが待っている。
「うん、楽しみですね」
グアダラハラはメキシコリーグで現在5勝5分7敗(21得点・22失点)で11位に沈んでいる。この大会で浮上のキッカケを掴もうと躍起だ。鹿島の粘り強い戦いがどこまで通用するか。
そして西はボランチか? それともサイドバックか? あくまでも一戦必勝。まず、この目の前の戦いにすべてを懸ける。
文:サカノワ編集グループ