柏のコーチ就任、栗澤僚一が決意「ネルシーニョ監督のサポートではなく、一緒に勝つために何が必要かを考え探していく」
2018シーズンで引退を決断した栗澤。今季はコーチとして柏を支える。(C)SAKANOWA
全員にチャンスを与える監督。選手に不安があれば取り除きたい。
現役引退を決断して2019年から柏のトップチームコーチに就任する栗澤僚一。FC東京と柏レイソルでプレーした14年間を振り返ってもらったインタビューシリーズの最終回。いよいよ迎える新シーズンへ、「栗澤コーチ」としての抱負を語ってもらった。
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――ネルシーニョ監督が柏に5シーズンぶりに復帰します。栗澤さんはコーチとして、どのように監督をサポートしていきたいですか?
「サポートと言うよりも、監督は常に要求をしてきますので、それに対し自分でも選手に合ったことを考えて、一緒に勝つために何が必要なのかを探してやっていきたいです。監督とスタッフのもと、選手とともに成長していきたいです」
――2019年、トップチームのコーチとして、柏をどのようなチームにしていきたいですか。
「逞しいチームです。観ているお客さんが力強く、気持ちのこもっていると受け取ってもらえる。いいときは自然とそう感じてもらえるとも思いますし、そういう心を動かせる試合をしたいです。サッカーで人を幸せにできるのは、現場の選手のみ。そのためのトレーニングであり、一つになってやっていきたいです」
――指導者として、すぐ「勝負のシーズン」というのも楽しみですね。
「そうやって勝負できるのはありがたいことです。それにトップチームですから。みんなで目標に向けてやっていきます」
――5年ぶりの再会。厳しさで知られるネルシーニョ監督は変わっていますかね?
「根っこのところは変わっていないと思います。もちろん監督はヨーロッパをはじめ最新のサッカーをチェックしていますし、今度、比較的若い38歳のディオゴ・リニャーレスフィジカルコーチも一緒に来日します。新たに吸収してきたこと、感じてきたことなど、いろいろ聞けるのも楽しみです。布部さん(ゼネラルマネジャー)が、『栗澤をコーチにしたい』という話をしたところ、監督が『すごく喜んでくれた』と聞きました。まあ社交辞令なのかは分かりませんが、嬉しいです」
――若い選手も多く、ネルシーニョ流がしっかり浸透するかもポイントですね。
「僕はネルシーニョの性格もよく分かっていますが、今は彼のもとでプレーしていない選手のほうが多いです。その不安などは取り除きたい。ただ、何よりまず、本当にみんなにチャンスを与える監督です。だからこそ、一つひとつのトレーニングをみんなで大事にやっていきたい。そこでいいプレーを見せればスタメンになれるし、そういう競争意識の高い監督でもあります。そこで自分にできること、与えられることをしていきたいです」
※このインタビューシリーズは終了です。前回「アジアカップを戦う伊東純也、長友佑都とのエピソード」はこちら。4回まとめた完全版を後日アップします!
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI