李忠成が横浜で初練習「中学の頃からライバルだったけれど」
浦和から横浜FMに移籍。栗原とともに練習場に入った李忠成(左)。(C)SAKANOWA
浦和から完全移籍で加入。ドゥトラ、久保竜彦、奥大介…F・マリノスといえば「『強い』というイメージ」。
赤から青へ――。浦和レッズから横浜F・マリノスに移籍した李忠成が、横浜FMの始動日の1月10日、ブルーのジャージ姿で登場。2011年のアジアカップで日本代表のチームメイトだった栗原勇蔵、長澤和輝を通じて親交があり学生時代に浦和に練習参加したこともある仲川輝人らと時折談笑しながら、約1時間、ランニングやパス練習で汗を流した。
「まさか自分が横浜F・マリノスでプレーするなんて、思ってもみなかったですから」
横河電機ジュニアユース、FC東京ユース出身の李にとって、「中学、高校時代、横浜FMの下部組織はとても強くて、ずっとライバル視していました。そのチームでユニフォームに袖を通すなんて」。
李にとって、横浜FMは「強い」というイメージが何よりあると言う。
「オリジナル10の一つで、伝統があり格式も感じます。ドゥトラ選手、クボタツ(久保竜彦)さん、奥さん、(中澤)祐二さん、松田直樹さん、波戸さん……強いイメージばかり。今は中位にいるけれど、また強さを取り戻す足掛かりになる一歩目を踏み出す力になれれば嬉しいです」
ミーティングでは「優勝」「タイトル」を目標にすることを共有意識として、一丸となって戦っていこうという話が黒澤良二社長からあった。
「まずタイトルを獲るという経験が大事。一つ獲ることでチーム内の環境も変わっていきます。その一歩目が本当に難しい。浦和もルヴァンカップで優勝できたたことで、ACL、天皇杯と勝てていきました。F・マリノスにはいい選手がたくさんいるし、若い選手が覚醒すれば優勝争いに加わっていけるはずです。本当に楽しみにしています」
複数のクラブから獲得の話が届いたなか、横浜FMを選んだ。自身の力を心から欲し、そこで活躍できるイメージも浮かんだ。実際、左利きのストライカーは、ピッチ全面を有効活用するアンジェ・ポステコグルー監督の戦術で、ある意味、不可欠な存在でもある。
「のびしろを感じています。F・マリノスにタイトルをもたらす力になりたい。そのためにゴールを決めます」
先月33歳の誕生日を迎え、まさに心機一転。2019年――トリコロールの李忠成が走り出した。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI