イラン戦データ検証│枠外シュート「0」、タックル成功「71.4%」…ディテールが差をつける
図1)日本対イランの試合終了時点のヒートマップ(日本の攻撃方向←)。最後はイランの猛攻をはね返し続けた。※AFCまとめ
ボール保持率はほぼ五分だが、パス成功率は日本が上回る。
[アジアカップ 準決勝] 日本 3-0 イラン/2019年1月28日/ハッザーア・ビン・ザーイド・スタジアム
UAEアジアカップ準決勝、日本代表が3-0でイラン代表に快勝を収め、2月1日のカタール代表との決勝にコマを進めた。両チームのデータから、この日の勝敗を分けたポイントを検証する。
ボールポゼッション(支配)率は、日本が52.7パーセント、イランが47.3パーセントとほぼ同じ。両チームそれぞれ主導権を握る時間帯があり、一瞬の隙を見逃さなかった南野拓実のクロスから大迫勇也のヘディング弾で均衡を破ることに成功した。ヒートマップ(図1)では、リードしたあとにイランの猛攻を受けたことで日本陣内のほうが赤く染まっている。
パス数は日本347本、イラン301本。成功率は日本74.4パーセント、イラン64.5パーセント、そのうち敵陣での成功率は日本59.5パーセント、イラン 53.9パーセントと、いずれも日本が上回った。
枠外シュートもイランが8本だったのに対し、日本はこの試合1本もなかった。
さらに特筆すべきはタックル成功率。タックル成功率は日本が71.4パーセント、イランが50.0パーセントだった。日本のタックル数は7回と少なかったものの(イラン12回)、より危険な局面で体を張って守り切っていたことを表す数値と言える。
そういった様々なディテールの差が、3-0という結果であり、勝敗を分けた一因になったと言える。
データ的にはほとんど文句なしと言える内容だった。そのなかで、デュエル勝率はイラン50.9パーセント、日本49.1パーセント、空中戦勝率はイラン51.7パーセント、日本48.3パーセントと、相手に上回られているが、その差を日本は全員でカバーしていたと言える。
クロス本数がイランの18本に対して日本8本とやや少なかった。ただ、それも体格差で上回るイランに対し、日本は地上戦を効果的に進めたことを物語るデータでもある。
日本対イラン戦のデータは次の通り。
□日本対イラン戦
※AFCまとめ
イラン 日本
得点数 0点 3点
シュート 11本 7本
枠内シュート 3本 4本
ブロックシュート 2本 1本
枠外シュート 8本 0本
※ブロックシュート
=ブロックされたシュート
ボール支配率 47.3% 52.7%
デュエル勝率 50.9% 49.1%
空中戦勝率 51.7% 48.3%
インターセプト 11本 5本
オフサイド 0回 2回
コーナーキック 5本 1本
パス数 301本 347本
ロングパス 72本 51本
パス成功率 64.5% 74.4%
敵陣パス成功率 53.9% 59.5%
クロス本数 18本 8本
クロス成功率 16.7% 25.0%
タックル数 12回 7回
タックル成功率 50.0% 71.4%
クリア数 10回 47回
ファウル数 18回 19回
イエローカード 3枚 2枚
レッドカード 0枚 0枚
文:サカノワ編集グループ