新加入の宮崎幾笑がFC東京にもたらすワクワク感「今年もたくさん笑いたい」
金沢からFC東京に加入した宮崎幾笑。(C)SAKANOWA
金沢で2年間経験を積み、キワラが首都の「トランジション」役になる。
サイドを主戦場にするMF宮崎幾笑(きわら)が2019シーズン、J2のツエーゲン金沢からJ1のFC東京に加入した。2年間の金沢への期限付き移籍を経て、所属元であるアルビレックス新潟から完全移籍した形だ。
「ドリブルとスピード、それに裏へ抜ける回数。ゴール前でのプレーには自信があるので、そこで強みを出していければチャンスはあると思っています」
宮崎は1998年2月17日生まれの20歳。プロ2年目の2017年に新潟から金沢にレンタルされ、さっそく中心選手として39試合5ゴールと活躍。昨季は背番号10をつけて、ケガで戦線を離れた時期もあったが、23試合4得点を決めた。
とりわけ昨季J2・5節、アウェーの大宮アルディージャ戦でのゴールは圧巻だった。
76分に交代出場するとファーストプレーで鮮やかに敵陣を切り裂き、右サイドのカットインから左足で1-1に追い付く鮮やかな同点ゴールを決めた。
上手さとスピード、さらに粘り強さを備える。確かに長谷川健太監督のもと、一段と輝きを増しそうな楽しみなタレントだ。
金沢では、ジュビロ磐田でリーグ制覇も成し遂げている柳下正明監督のもと、これまで希薄だった「守備意識=プレス&切り替え(トランジション)」を徹底的に叩き込まれた。
守備なくして攻撃は始まらない。2年間、そのセオリーと感覚を宮崎は全身に刷り込ませてきた。
「東京は、金沢と共通点もあると感じてきました。全員が走るなかでサイドハーフはプレスのスピードやタイミングが求められるところが似ています。この2年間、FW、サイドハーフと、思い切ってプレスに行くスタイルに取り組んできました。そこは東京のやり方と、上手くマッチしていけると思います。カウンターも狙っていきます」
アルビレックス新潟ユースからトップチームに昇格し、金沢で武者修行を積んでFC東京へ。その一連の流れが、首都・東京への道となってつながっていたようにも感じる。
「金沢で2年間積み重ねてきましたが、『J1で活躍する』ということをずっと考えてやってきました。タイトルを目指すこのチームで、プレーできることは本当に嬉しいです」
ここでチャンスを掴めば、2020年の東京五輪を戦う日本代表のメンバー入りも見えてくる。
名前の由来は、「いくども笑う。たくさん笑える子になってほしいという想いが込められています。今年もたくさん笑える年にしたいです」。
『今年も』と言ったところに、金沢での日々への感謝もうかがえる。
ワクワク感を与えてくれる選手だ。宮崎幾笑が2019年、これまで以上にたくさんの人へ笑顔を届ける。
文:サカノワ編集グループ