浦和敗戦、興梠慎三「自分の責任」。前線とDF陣に意見のズレ
札幌戦でゴールを決め切れず天を仰ぐ浦和の興梠慎三。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
前からボールを奪いたい前線、ブロックを作りたい守備陣。
[J1 2節] 浦和 0-2 札幌/2019年3月2日/埼玉スタジアム2〇〇2
浦和レッズが北海道コンサドーレ札幌に完敗を喫し、リーグ戦初勝利はお預けとなった。
最前線に入った浦和のFW興梠慎三は、試合後、自分の責任だと言い切った。
「チームどうこうと言うより、今日は完全に自分。特に前半、相当ミスをしてしまいました。後半、気を引き締めてこの雰囲気をどうにかしようと思い、前半よりも少し良くなりましたけれど……。後半みたいな試合を立ち上がりからできれば良かったと思いました」
この日の興梠は杉本健勇との2トップでスタート。後半はオーストラリア代表のアンドリュー・ナバウトとコンビを組んだ。前半1本、後半2本のシュートを放ったものの、ゴールをこじ開けることはできなかった。
「個人的には、前からの良い守備が攻撃につながると思うし、相手のシステムに合わせてハメて行ったつもりでしたが、上手くかわされてしまいました。そういうハマらないなかでの2失点。試合後、選手同士で話していると、やはり後ろはブロックを作りたい、でも前は前から行きたいと、意見が違ってきているので、そこは話し合っていく必要を感じました」
そのように守備の考え方でズレが生じているところを、興梠は課題に挙げた。
それでもこの日、興梠は何より自分自身を責めていた。
「今日に関しては、もっと前で自分がボールをキープできないといけなかったし、非常に今日は難しい試合でした。後半、もちろんチャンスはありましたけれど、1試合通したチャンスの数はものすごく少なかったのかなと思います」
その調子を上げていくためには、やはりゴールがほしいところ。ただ、焦りは禁物だと、興梠は自分自身に言い聞かせるように強調していた。
「(後半は)自分の調子を上げていくには、少し良いプレーをする、得点を決めることを心掛けていました。決定機は作れましたけれど、ゼロックス・スーパーカップから3試合無得点で、勝てずにいるのはやはりFWのせい。正直なところ、早くゴールは取りたいと思います。ただ焦る必要はない。焦れば焦るほど悪くなってしまうので、正常心でやっていくことが大切だと感じています」
例えば――山中亮輔とのホットラインも開通させたいところ。興梠は「ヤマ(山中)の武器はあそこ(高い位置)からのクロス。そこまで行かせるように、後ろの組み立ても重要になってくると思います」と、豪快なオーバーラップを引き出したいと語っていた。
チーム内のいろいろなところで大小さまざまな課題が表出してきている感じだ。果たして、一つ解決することで、良い連鎖反応は起きるのか。それとも一つひとつの課題を潰していく作業が必要なのか。
浦和がこの状況を打破するためには――。何より7年連続二けた得点を決めてきたエースの興梠のゴールが一つキッカケとなるだけに、その歓喜の瞬間が待望される。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI