香川真司が挙げた日本の武器と課題「サイドにストロングがある」
日本代表での香川真司。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
ボリビア戦に向けてサイドチェンジに自身が加わるイメージはできた。
[キリンチャレンジカップ] 日本 – ボリビア/2019年3月26日/ノエビアスタジアム神戸
ロシア・ワールドカップ(W杯)以来の日本代表復帰を果たした香川真司が3月22日のコロンビア代表戦、65分からピッチに立ち森保一監督のもとで初めてプレーした。
香川が初めて実戦でプレーする選手も多いなか、その選手たちの良さを引き出しつつ、自身も生きるという「役割」が期待された。ただ、FIFAランキング12位のコロンビアに1点リードされたなか、引いた相手を崩せなかった。
「いい時間と悪い時間があるなか、コロンビアはまさにアウェーの戦い方をしてきて、その自分たちの時間帯でしっかり点を取ってきました。僕自身もこの経験を次に生かさないといけない」
香川はそのように振り返った。
0-0の状況でウォームアップしていた香川は森保監督から呼ばれた。ただ、交代する直前、日本が失点を喫してしまったのは悔やまれる展開だった。結果、先制できたことで中央を固めたコロンビアを攻めあぐねた。
「連動性は出せていたので、そこをさらに上げていければと思います。相手も点を取ってから中をより固めてきて、僕たちも動きの連動性が足りなくなってきてしまったところはあったので、そこの変化は必要だと感じました。僕が入った時間帯、少しみんなの動きも中への意識がすごく強くて、密集しすぎていました。次の試合(ボリビア戦)への課題です」
そのなかで感じた課題が、サイドの効果的な活用だ。そのサイドチェンジの繰り返しに、香川自身も加わっていければ、というイメージを持てた。
「日本はサイドにストロング(ポイント)があると思います。サイドで1対1になった時、打開できる選手は多いですし、後半はなかなかその展開が生まれづらかった。より意識して、それから3分の1(アタッキングサード)、ペナ(ペナルティエリア)に入った時に最後どのように崩すか。そこは個人的に課題だと感じました」
サイドの「個」をいかに生かすか。そのための連動性を高めていきたいと言う。
「ポテンシャルの高い若い選手も多く、それを僕自身も生かしながら、お互い生かせるように、一つチームのキーになると思います。その精度を上げながらお互いを知っていければ、より強くなっていけると思うので、課題を次へ修正していきたいです」
試合後に場内一周する際、サイドハーフを務めた堂安律、乾貴士と話し合う姿が見られた。そこで香川は「どこを崩していくか、どう戦っていくか。お互いの判断について話し合っていました。コミュニケーションを取り続けていく必要性は大事になってくると思います。サイドバックと連係しながら、誰が出ても良さを出していければ」と、確認し合ったという。
「刺激的な1試合。ただ、僕は結果を残していかないといけない。ここ(日本代表)での経験値は一番高いので、その自覚を持ちながら、個人としてもいい準備をして、努めていきたいです。(ボリビア戦は神戸開催だが?)地元でできるというのは嬉しいですけれど、いろいろ考えすぎず、まず次の試合にフォーカスして、結果を残せるように集中していきたいです」
ボリビア戦では日本の背番号10が、攻撃の中心となれるか――。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI