【川崎3-1神戸】全選手「ひと言査定」メッシばり家長ショットの秘話、イニエスタは“引き足”で等々力をどよめかす│現地取材
家長昭博(天皇杯より)写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
「昨日は居残り、あの角度でのシュート練習をずっとしていた」(鬼木監督)。「練習は嘘をつかないと改めて思えた」(家長)。
[J1 28節] 川崎 – 神戸/2021年9月29日19:03/等々力陸上競技場
J1リーグ注目の上位対決、川崎フロンターレが3-1でヴィッセル神戸に勝利を収めた。
日本代表FW大迫勇也のクロスから武藤嘉紀が先制。しかし後半、川崎が反撃――。
2本連続(1本失敗)でPKを獲得し、レアンドロ・ダミアンが同点弾! 畳みかけるように山根視来のクロスがオウンゴールを生む。そして最後は家長昭博が圧巻の左足ショットで3点目を奪って、ホームチームが首位固めの3ポイントを獲得した。
注目の一戦、両チームの選手の一言査定をまとめた。
▽川崎フロンターレ
▼先発
GK 1 チョン・ソンリョン
横の揺さぶりに苦戦したが、途中から落ち着く。ハイボールへ抜群の対応。
DF 13 山根 視来 (▼78分)【MAN OF THE MATCH】
直前のミスキックの反省点を踏まえ、精度の高いクロスを放ち大﨑のファウルによるPKを誘発。さらに強烈な突破からのクロスで、オウンゴールをもたらした。最後は「少し足を痙攣していた」(鬼木達監督)。
DF 4 ジェジエウ
後半は完全に大迫を抑えた。
DF 5 谷口 彰悟
リベロ的にジェジエウの競ったあとを丁寧にケア。ラインコントロールも絶妙。最後はボランチで試合を締めた。「最後はかなり疲弊していた」(鬼木監督)。
DF 2 登里 享平
序盤は武藤の圧に苦しんだが、その絶え間ないハードワークで次第にサイドの主導権を握っていった。
MF 22 橘田 健人
目の前にいたイニエスタの技をさっそく伝授されたかのような“引き足トラップ”で起点に。
MF 8 脇坂 泰斗(▼78分)
決定機での枠外シュートが多すぎるのは課題で、チームの流れを悪くしている。そこまでが完璧なだけに惜しい。
MF 47 旗手 怜央(▼90+2分)
中盤のダイナモとなり、ボール奪取から起点に。神戸の選手たちはかなり嫌がっていた。
FW 41 家長 昭博
ACL蔚山戦に続くPK失敗。飯倉にコースも読まれていた。ところがそこから挽回。メッシも驚くような短いインパクトから凄まじい左足のショットを突き刺す。「昨日は居残り、あの角度でのシュート練習をずっとしていた」(鬼木監督)。「練習は嘘をつかないと改めて思えた」(家長)。
FW 23 マルシーニョ(▼76分)
26歳のウインガーが大気の片りんぶりを見せる。ミドルサード突破を何度もこなし、PKも獲得。フィニッシュにかかわるプレー精度を上げると、かなり厄介な存在になりそうだ。
FW 9 レアンドロ・ダミアン(▼76分)
なかなか決まらない……そんな不穏な雰囲気を打ち破る、ど真ん中へのPK弾。PKキッカーの交代は、選手同士での話し合いで決めたそうだ。
【交代出場】
FW 20 知念 慶(△76分)
前に居残ることで攻め上がりを封じた。
FW 24 宮城 天(△76分)
短時間ながら見せ場を連発。神戸はきりきり舞いだった。
MF 28 山村 和也(△78分)
イニエスタ交代後、増えたロングボールを中盤で跳ね返し、最終ラインをフォロー。
FW 11 小林 悠(△90+2分)
宮城よりさらに短い出場時間ながら、一つチャンスを作り出した。
▽ヴィッセル神戸
▼先発
GK 18 飯倉 大樹
家長の切り返しのショットをパーフェクトセーブ。しかし2本連続のPKを阻止するのは、いくら当たっていた飯倉でも難しかった。
DF 17 菊池 流帆
マルシーニョへの対応。相手はゴール前でのプレー精度が上がらず苦しんでいた。それだけに、なぜペナルティエリア内で相手の背中に手を掛けてしまったのか。
DF 25 大﨑 玲央(▼65分)
家長のPK失敗で悪い流れを絶ったはずが……直後、ハンドでPK献上。そんな自分自身にかなり怒りを爆発させたいた。しかもそのあと負傷により交代に。三浦淳寛監督は、厳しそうだと唇を噛んだ。
DF 4 トーマス・フェルマーレン
オウンゴールは悔やまれるが、ボールを奪われた段階でかなり劣勢に立たされた状態だった。
DF 19 初瀬 亮
飯倉からのフィードを受けながらボールロストし2点目に持ち込まれる。一瞬が勝負を分ける。
MF 24 酒井 高徳
攻撃の始点となるべきプレーでミスが目立った。
MF 27 櫻井 辰徳(▼57分)
起点役として買われて抜擢されたが、タテへの変化をなかなか付けられず。「精度の高さにビックリし驚いた。この基準を越えていかなければ」。
MF 31 中坂 勇哉(▼78分)
スペースによく顔を出していた。大迫から厳しい口調でアドバイスを受ける。
MF 8 アンドレス・イニエスタ(▼78分)
巧みな引き足タッチでの打開に等々力がどよめく。大迫&武藤のプレースタイルと合わず、相乗効果をまだ見せられずにいる。
MF 11 武藤 嘉紀
先制点はパワーとスピード、そして嗅覚が噛み合った持ち味を凝縮した一撃。しかし、その後は消えている時間帯も。
FW 10 大迫 勇也
武藤弾をアシスト。随所で起点となって脅威を与える。ただ、ゴールに向かっていく推進力をもたらせなかった。
【交代出場】
MF 22 佐々木 大樹(△57分)
チームに欠けていた香車のような鋭いドリブル突破。停滞を打破した。
MF 7 郷家 友太(△65分)
攻撃に比重を置きたかったが、後ろに引っ張られた。
FW 29 リンコン(△78分)
大迫と2トップのような形に(少し低い位置)。逆の立ち位置のほうが怖かった?
FW 9 ボージャン・クルキッチ(△78分)
短時間ながらチャンスを作り出す。イニエスタと組む時間が増えると脅威が増しそうだ。
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[文:サカノワ編集グループ]