中村俊輔、幻の交代出場。湘南サポーターもざわめいたが…
磐田の10番、中村俊輔の出場はおあずけに。(C)SAKANOWA
名波監督から「10番、俊輔」と呼ばれ準備も完了した時――。
[J1 6節] 湘南 0-2 磐田/2019年4月6日/Shonan BMWスタジアム平塚
ジュビロ磐田の中村俊輔が4月6日の湘南ベルマーレ戦、2試合ぶりのリーグ戦出場を果たそうとしたものの”幻”に終わった。
一進一退の攻防が続くなか、65分のルクセンブルク代表FWロドリゲス投入により磐田がさらに攻勢を強めた。それでもアウェーチームはなかなかゴールをこじ開けることはできない。
湘南戦の磐田のベンチメンバーは次の通り。
GK 36 三浦龍輝
DF 35 森下 俊
DF 6 エレン
MF 10 中村俊輔
MF 27 荒木大吾
FW 11 ロドリゲス(65分:森谷賢太郎→交代出場)
FW 18 小川航基
すると70分、名波浩監督がコーチングスタッフに2人目の交代の指示を出す。
右手の人差し指で「1」、左手の親指で「0」を作り、「俊輔!」と中村を呼んだのだ。
湘南はアダイウトン、ロドリゲスのパワーに苦しんでいる印象だった。磐田としては、あとそこに欲しいのは、精度の高い一本のキック。しかも敵陣の深い位置で何度もセットプレーのチャンスを掴めていた。中村に試合を決定付ける役割が求められたのだ。
ベンチ裏でウォームアップしていた中村がユニフォーム姿になって準備を進める。「磐田の10番」は、やはりこの日のお目当ての一人でもあった。その姿に気付いた、メインスタンドの磐田のみならず、湘南サポーターからも、ざわめきが起きた。
あとはオフザプレーになるのを待つだけ。すると、そこで大久保嘉人のパスから松本昌也が右サイドを打開。ゴールライン際のドリブルで運んだあとのシュートが、オウンゴールとなり磐田に先制点が転がり込んだのだ。
この1点で、磐田のプランも変わった。中村はスタッフに確認を取り、再びビブスをつけて、ベンチ裏でのウォームアップに戻った。
結局、そのあと、90分に荒木大吾、90+3分にエレンが投入される。そして90+6分、スーパーカウンターからロドリゲスが今季ゴールを奪取。磐田が2-0で、今季初白星を手に入れた。
今季の中村は、開幕の松本山雅FC戦(△1-1)で先発、4節のサガン鳥栖戦(●0-1)で途中から11分出場と、計2試合の出場にとどまっている。ただ、今回のシチュエーションのように、その左足が必要とされる場面はこれからも出てくる。松本戦では噛み合わなかったものの、ロドリゲス&アダイウトン(さらに川又堅碁や小川航基)など、強力な前線の力を最大限に引き出すため、中村が先発起用されることも十分考えられる。
今週末は清水エスパルスとの静岡ダービーだ!
文:サカノワ編集グループ