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もしもイニエスタがいたら?浦和の青木拓矢が仮想「ボールを持った瞬間…」

神戸の山口蛍(左)と競り合う浦和の青木拓矢(右)。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

浦和の次なる課題は「いかに守備のスイッチを入れるか」。

[J1 8節] 浦和 1-0 神戸/2019年4月20日/埼玉スタジアム2〇〇2

  浦和レッズのMF青木拓矢がヴィッセル神戸戦、3-5-2のアンカーとしてフル出場し勝利に導いた。ケガから戦列に復帰したあと、リーグ4試合(公式戦5試合)連続で先発し、最近は4試合連続フル出場中。試合勘も取り戻してきた。

 中盤まで下がってくるポドルスキに前を向かせず、起点を作らせなかった。ただ試合終盤、相手が前掛かってきたところでチーム全体として対応しきれず、ピンチを招いた。終わってみればシュート数5対12、ボール支配率は20パーセント台だった。

「(ラインの押し上げは)全体でやらないといけないこと。中盤はこう思う、最終ラインはこう思っていた、FWはどう思っていた、ではなくて、話し合ってやらないといけない。特に守備のスイッチの掛け方をもう少しハッキリさせてやらないと。今日は後ろが我慢して無失点で抑えられましたが、後手、後手を踏んでしまっています。もう少し、ここでいこう、というところを統一しないとできない。練習の中でやっていきたいです」

 そのようにチーム全体で、ここでいく、というボール奪取のタイミングが定まらずにいる点を課題に挙げた。3バックと4バックの併用も進めるなか、青木は「ここからプラスで加えていければ。基本的には『いい守備から』試合に入る意識は徹底できていますので」と、できつつあるベースに新たな要素を一つずつ加えていきたいと語った。

 また、結果的に「相手が『巧い』と感じることはあまりなかった」と、神戸の拙攻に救われた面もあった。それだけに、もしもアンドレス・イニエスタがいたらどうだったか?

 青木は次のように言った。

「ボールを持った瞬間、裏のスペースを狙われていたかなと思います。今日はゾーンを引いて対応すると、(神戸のアタッカー陣が)嫌がって、サイドに開く傾向があり、それであればあまり問題ありませんでした。前の枚数が少なければ、やられる可能性も低かったので」

 ポドルスキとウェリントンがいずれも下がってボールを受けようとするタイプで、それは浦和にとって都合が良かった。結果的に、神戸は神戸でサイドでノッキングを起こし、小川慶次郎と古橋亨梧のスピードを生かしたサイドからの崩しはほとんどさせなかった(なかったわけではなかったが)。

 粘り強く戦えたことはプラス材料に挙げられる。しかし全体的には課題のほうが多く見受けられた。

「次はACLの全北現代とのアウェー戦。大切な試合になるので、しっかり準備したいです」

 5万5000人の前で戦った一戦を経て、今日、浦和は韓国に乗り込む。重要な試合が続く。

取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI

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