浦和の興梠が決定機逸の山中をかばう「俺でもパスを選択した」

浦和×磐田の89分、山中のクロスに興梠が詰めたが、カミンスキーに止められてしまう……。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

磐田の牙城、カミンスキーを攻略できず…。

[J1 10節] 浦和 0-1 磐田/2019年5月3日/埼玉スタジアム2〇〇2

 この試合の最後に訪れた分岐点だった。スコアレスで迎えたアディショナルタイム突入直前の89分、浦和レッズがビッグチャンスを作り出した。

 自陣からマルティノスのヒールパスからエヴェルトンがボールを持ち上がってカウンターを発動させ、左サイドの山中にパスを通す。山中は持ち味のスピードを生かしてペナルティエリア内にフリーで進入。そのまま左足を振り抜くか、と思われたが、逆サイドから走り込んでいたエースの興梠慎三への横パスを選択した。

 しかしパスはジュビロ磐田のGKカミンスキーに読まれてしまい……体を倒した守護神に止められてしまう。

 そして90+3分、逆に浦和のミスを見逃さなかった磐田のロドリゲスにシュートを決められてしまう。ホームチームは0-1で敗れ、4連勝を逃した。

 ただ、興梠は試合後、山中の選択は正しかったとかばった。

「ヤマ(山中)のあの横パスに関しては、俺が逆の立場だったとしても、パスを出していたと思います。ちょっと合わなかった。もちろん自分で(シュートを)打つこともできたはずだけれど、ヤマは良い選択をしたのかなと思います。ゴールが決まる確率的には横パスのほうが高かったと思います」

 一方、山中との”息”がまだ合っておらず、その調整は必要だとも強調していた。

「ちょっと自分がほしいところと、ヤマが狙っているところがズレている。そこらへんは、ヤマもいいボールを出せるので、二人で話し合ってやっていくしかないと思います」

 何より興梠は攻撃のクオリティが後半に入って落ちてしまったことを嘆いた。前半はポゼッションとカウンターを織り交ぜながら崩すシーンを見せた。しかし後半はカウンター一辺倒になってしまい、攻め手も単調になってしまった。

「前半は後ろからも人が飛び出してきて、チャンスもありました。けれど、そこを決め切れなかった。そこで苦しい試合にしてしまったと思います。後半はそういうシーンが減り、連戦と暑さも影響して、磐田も同じ条件だったとはいえ、走り負けてしまいました」

 チームとして、なかなか流れの中からのファインゴールを決められずにいる。そろそろ、山中―興梠のホットラインを開通させたいところだが……。

取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI 

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