中澤佑二が明かした真実「対戦相手のドリブルは必ず事前にチェックしていた」
現役時代の横浜FM中澤佑二。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
日本テレビのサッカー番組で、さりげなく明かしたプロの矜持。
昨季まで横浜F・マリノスで在籍した元日本代表DF中澤佑二が5月4日深夜の日本テレビの番組『サッカーアース』に出演し、そのなかで現役時代はあまり語られることのなかった”対策”について触れる場面があった。
番組ではドリブルデザイナーの岡部将和さんが「99パーセント抜けるドリブル術」をタレントの手越祐也さんに伝授する企画が組まれた。さらにUEFAチャンピオンズリーグ準決勝ファーストレグで圧巻のパフォーマンスを見せたFCバルセロナのリオネル・メッシらのドリブル技についても検証していった。
そのうえで中澤が現役時代、ドリブラーと対峙する際にどのようなことを気を付けていたか――。その質問に答えた。
そこで中澤は「対戦相手のドリブルの仕方は、必ず事前にチェックしてから試合に臨んでいました」と明かした。
左右どちらの利き足であるかはもちろん、インサイド、アウトサイド、どちらで抜くことを得意としているのか、さらに、そのタイミングや抜き方の種類など……。そういった情報を頭にインプットしたうえで、ピッチに立っていたというのだ。
三郷工業高校からブラジルに留学し、その後東京ヴェルディの練習生から横浜F・マリノスに移籍。日本代表の守備の柱まで”這い上がっていった”。J1リーグ593試合出場、国際Aマッチ110試合出場を誇る歴代屈指のセンターバックは、自身の感覚や能力だけに委ねることなく、そのように事前の傾向と対策をも練って「本番」に臨んでいた。
そういった映像を編集したり、情報を収集したりするなど彼やチームを支えたスタッフもいたに違いない。チームの勝利に徹し、準備の段階からディテールの追求を怠らない。実際、中澤が警告や反則を取られた数は少なく、日本代表110試合でイエローカードを受けたのはわずか5枚だった。和やかな番組の雰囲気のなかで、さりげなく中澤が示したプロフェッショナルの矜持だった。
また、番組では「最高のDFは?」という問いに、元チームメイトである「松田直樹」の名前を挙げて、「松田さんがいたからマリノスに来ました。尊敬していて、得るものしかなかった」と語った。
文:サカノワ編集グループ