【FC東京】久保建英が「3割は彼のお陰」と感謝したスーパーゴールの予言者とは?
今季リーグ戦初ゴールを決めたFC東京の久保建英。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
再び全治10か月と診断された鈴木喜丈から前日の電話で「明日決めるよ」と言われていた。
[J1 11節] FC東京 1-0 磐田/2019年5月12日/味の素スタジアム
FC東京の久保建英が技ありの強烈ボレーで今季J1リーグ初ゴールを叩き込み、ジュビロ磐田から勝利を収めた。8勝3分と無敗をキープし、試合後のヒーローインタビューでは「このまま無敗で最後までいきましょう!」とサポーターに呼びかけた。
磐田のハイラインのプレスに苦しみ、なかなか高い位置で仕事ができずに苦しんでいた。しかし次第に間延びし出して迎えた84分だった。
コーナーキックを渡辺剛がヘディングで合わせ、小川航基にブロックされる。そこからのクリアボールがゴール前に落ちてきたところへ――FC東京の15番が颯爽と駆け込む。久保は「空気抵抗に押されて上がりすぎないようには意識しました」とコンパクトに左足を振り抜いてボレーで合わせた。
FC東京が2017年から4試合連続で無失点に抑え込まれていた磐田の守護神カミンスキー。しかも、この日も神セーブを連発するなどパーフェクトに”当たっていた”。そのサックスブルーの壁を打ち破る、「カミンスキー選手がいるだけで違う。そんな選手から決められて自信につながると思います」という会心の一撃だった。
そして、この磐田戦のゴールを、予言していた選手がいたという。
昨年に続き左膝関節離断性骨軟骨炎の手術で、このほど再び全治10か月と診断された鈴木喜丈だ。
「昨日、喜丈くんと電話している時、『明日、スーパーゴールを決めるよ』と言われていました。だから半分……それはちょっと大げさですね、3割ぐらいは喜丈くんのお陰です」
そのようにケガで苦しむチームメイトに感謝した。
「これからいろんな良いことを占ってもらおうと思います」
久保は嬉しそうに言った。
以前にはFC東京U-23として、ともにJ3をメインに戦っていた。そして現在、FC東京U-23で経験を積んでいる選手たちにとっても、その背中を押す、間違いなく励みになる久保の気持ちのこもった一撃だった。
文:サカノワ編集グループ