【イタリア戦│選評】GS無敗で16強決定!U-20日本代表の成長を示すドロー

U-20イタリア代表戦に臨んだU-20日本代表。(C)FIFA via Getty Images

チームで戦い方を共有できていた90分間。気掛かりな負傷交代した田川、斉藤のコンディション。

[ポーランドU-20W杯 GS3節] 日本 – イタリア/2019年5月29日(日本時間30日1:00)/ビドゴシュチ

 最良の結果は手にできなかったが、成長の跡を示す勝点1だった。

 U-20ワールドカップ(W杯)グループステージ最終節、U-20日本代表はU-20イタリア代表とスコアレスで引き分けた。この結果、B組は勝点7のイタリアが首位、勝点5の日本が2位で決勝トーナメント進出を決めた。

 日本の狙いは明確だった。

 影山雅永監督が「イタリアに勝って1位で(上に)行く」と話していた通り、グループステージ首位突破を狙い、その決意は先発メンバーと戦い方からも見て取れた。

 日本は引き分け以上で決勝トーナメント行きが決まる状況。精神的にも、数字的にも、余裕を持ってイタリア戦を迎えていた。ただ、いくつかのアドバンテージを得られる1位突破を目指し、指揮官は最小限のメンバー変更を選択した。

 先発メンバーは、イタリアが第2戦から9人入れ替えた一方、日本は4人にとどめた。前日練習に参加していなかった宮代大聖(川崎フロンターレ)、藤本寛也(東京ヴェルディ)、郷家友太(ヴィッセル神戸)らのコンディションを踏まえての判断だった。

 日本は三國ケネディエブス(アビスパ福岡)と西川潤(桐光学園)を今大会初めて先発で起用。2戦目まで出番がなかった喜田陽(アビスパ福岡)、これまで出場機会の少なかった原大智(FC東京)、中村敬斗(ガンバ大阪)もベンチスタートに、多くの主力がピッチに立った。

 日本はゴールに直結する攻撃と、身体を張った守りで貪欲に勝利を目指した。時間帯によっては相手にペースを掴まれたが、斉藤光毅(横浜FC)や田川亨介(FC東京)が決定機を迎えるなど、序盤から優位に試合を進めた。ただ、田川がファウルを受けて得たPKを伊藤洋輝(名古屋グランパス)が外してしまうなど(GKにセーブされる)、勝負どころを生かせなかった。

 後半に入っても、その戦い方はブレない。運動量の低下でプレスの強度は弱まったものの、全体をコンパクトに保ちながら手数を掛けず攻める。終盤も変わらず、隙あらば、前に出て相手ゴールを脅かす姿勢は崩さなかった。

 終わってみればスコアレスドロー。求めていた結果は掴めなかった。だが、グループリーグ突破が懸かる重要な一戦で、最低限の結果を手にした点は称賛に値する。

 伊藤は「ボールを握ることができましたけれど、我慢する時間もあった。ただ、無敗で(グループステージを)終われたのは収穫」と語ったが、状況に合わせて試合を進められたのは成長の証だ。

 中2日の3連戦で体力的に厳しかったが、自分たちの現状を見極めた上で効果的に前からボールを奪いに行った。これには影山監督も目を細め、「メキシコ戦ほどプレスに行かないまでも、行くタイミングを合わせてくれた」と賛辞を送った。

 チームで戦い方を共有できていなければ、不安定な試合運びを見せたエクアドル戦の二の舞になった可能性はあった。田川と斉藤の負傷交代は気掛かりだが、イタリア戦の試合運びはチームの進化を示す何よりの左証だ。

取材・文:松尾祐希(フリーライター)

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